森村誠一さん、内田さん悼む「小説家の模範のような方」 - Crune Blogs

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2018年3月18日日曜日

森村誠一さん、内田さん悼む「小説家の模範のような方」

 ミステリー作家の内田康夫さんが亡くなり、関係者からは悼む声が寄せられた。

作家・森村誠一さん

 すばらしい仲間を失ったことが残念を通り越して悲しく悔しい。昔は内田さんと西村京太郎さんと私とで「三銃士」と読者が呼んでいると聞いたこともありました。最近は行き来していなかったけれど、内田さんの作品はよく読んできました。作品は深く、広い。読みはじめると途中でやめられない。映像化にも向いている。私にとっては小説家の模範のような方でした。

ドラマ『新・浅見光彦シリーズ』(TBS系)の矢口久雄プロデューサー

 内田康夫先生のご訃報(ふほう)に接し、衷心より哀悼の意を表します。『新・浅見光彦』の撮影先で、この訃報に接するとは思いもよりませんでした。

 先生の『浅見光彦』を映像化させていただくにあたり、作品数と同じだけ多くのご相談をさせていただいて、ほとんどのことは快くご理解、ご承諾くださったのですが、あるとき「作家には作家の魂がある、そこだけは理解して守ってください」とおっしゃられたお言葉が一番印象に残っています。

 江戸川乱歩の明智小五郎、横溝正史の金田一耕助といった架空のヒーローたちがいたとすれば、浅見光彦は近代のヒーローだが、スーパーヒーローではなくごく普通の人物。旅先で出会った人に好かれ、愛されながら難事件を解き明かしていく。警察庁の刑事局長というエリートの兄はいつも「いい加減に事件に関わるな」といいながらも光彦に優しく、母の雪江も「兄には迷惑かけるな」といいながら可愛く思っている。

 そんな光彦が旅するのは史跡、名跡だけでなく、訪れた先に暮らしている人々の心の奥底。内田先生自らが、作品の舞台となる地元に赴いて、そこで暮らす人々と直接語り合って、作品の中に生かしている。内田先生とお話ししたことがあるという地元の方ともお会いしたことがありますが、どんな小さな町の問題でも丁寧に取材されていたようです。

 光彦はある意味内田先生であり、内田先生が想(おも)う、日本人のあるべき姿を描いているからこそ、長きにわたって日本人に愛されている作品だと思います。

次回作のドラマ『新・浅見光彦シリーズ』で光彦役を演じる俳優の平岡祐太さん

 今朝、次作の『新・浅見光彦シリーズ』を撮影していたところに、内田康夫先生がお亡くなりになられたと聞きました。体調がおもわしくない事は聞いておりましたが、一度もお会い出来なかった事が残念でなりません。内田先生の作品によって、自分は生かされていると実感しながら撮影を続けております。浅見光彦や作品をこれからも大切にし、見て下さる方々に伝えていきたいです。ご冥福を心よりお祈り致します。

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続きを読みます https://www.asahi.com/articles/ASL3L6GSGL3LUCLV00Q.html

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