夏の週末、台風直撃 ボブ・ディランは登場できるか

　台風１２号の上陸が予想される２８、２９の両日は、夏恒例のイベントが全国で目白押しだ。ただ東京や千葉、埼玉などで花火大会が中止になったり、海水浴イベントが順延したりしている。

　２７日午前、隅田川花火大会公式ツイッター。２８日に予定していた大会を２９日に順延するとの投稿に、「まだ決めるのに早い」「早めの対応は有り難い」などさっそく賛否の意見が寄せられた。大会は、東京の夜空を約２万発が彩る夏の風物詩だ。５年前は雷雨に見舞われ、開始３０分ほどで中止になった。今回、２９日に開催できなければ全面中止となる。実行委員会は「無理して開催するわけにはいかない。台風の進路次第」。２９日に開催するかどうかは、２８日午後６時にツイッターで公表する。

　高校野球への影響も。２８、２９日は地方大会の決勝１３試合が集中。このうち、西東京大会では試合延期が決まった。

　新潟県の苗場スキー場では２７～２９日、国内最大級の野外イベント「フジロック・フェスティバル」が開かれる。２９日はノーベル文学賞を受賞したボブ・ディランが登場する予定で、注目されている。３日間のイベントは２７日時点で中止の予定はないという。担当者は「山で行われるイベントなので、急な天気の変化とは常に隣り合わせ」と話す。

　台風１２号は西日本豪雨で被災した自治体を襲う可能性がある。新たな被害を防ぐため、自治体は避難情報を出す基準を通常より早めたりダムの放水量を調整したりして対応を急いでいる。災害が起きやすい状況が続いており、専門家は早めの避難を呼びかけている。

　高校野球への影響も。２８、２９日は地方大会の決勝１３試合が集中。このうち、西東京大会では試合延期が決まった。

　一方、広島県高校野球連盟は２７日、広島大会決勝の開始時間を２８日午後１時から、午前９時半に繰り上げると発表した。選手らを早く帰路につかせるため、閉会式も実施しない。県教委とも協議し、台風接近の前に試合を始めることにしたという。

関空の星空鑑賞会や盆踊りは中止

　兵庫県では、２８日に予定されていた姫路市の「姫路みなと祭海上花火大会」と、花火大会を含む三木市のイベント「みっきぃ夏まつり」の中止が決まった。いずれも順延しないという。徳島市の吉野川河川敷で２７日から３日間予定されていた「吉野川花火大会」も中止を決定。京都府木津川市で２８日夜に予定されていた、約３千発の花火を打ち上げる計画の夏祭りも中止となった。

　関西空港を運営する関西エアポートは、週末に空港で予定されていたイベントを中止。展望デッキでの星空観望会や、空港のイベント広場での盆おどりなどが計画されていた。

「鈴鹿８時間耐久ロードレース」関連イベントも

　愛知県津島市の「尾張津島天王祭」は約５００個のちょうちんを飾った船が水面を進む幻想的な光景で知られるが、２８日にある宵祭（よいまつり）では大半のちょうちんに火をつけないことを決めた。船を出すかどうかも２８日午後３時に判断する。

　愛知県一宮市で開催中の「一宮七夕まつり」は２８日の祭り終了時刻を３時間早め、盆踊りなどの午後６時以降のイベントを中止することにした。屋外の吹き流し飾りも撤去する。

　鈴鹿サーキット（三重県鈴鹿市）で開催中のオートバイの「鈴鹿８時間耐久ロードレース」では、２８日に予定されていた関連イベントやバイクパフォーマンスなどが中止になった。

　一方、愛知県知立市は２９日に投開票がある市議選のポスター掲示場１０６カ所すべてを２８日中に撤去することを決めた。投開票は予定通り実施する。

２８日に予定されていた主なイベント

・隅田川花火大会（東京都）

→２９日に順延。２９日も開催できない場合は中止

・立川まつり国営昭和記念公園花火大会（東京都立川市）

→中止

・八王子花火大会（東京都八王子市）

→中止

・浦安市花火大会（千葉県浦安市）

→中止

・越谷花火大会（埼玉県越谷市）

→中止

・真岡市夏祭り大花火大会（栃木県真岡市）→開催の可否を２８日に市のＨＰに掲載

・海水浴イベント「お台場プラージュ」（東京都港区）

→２８日の開幕行事を中止し、開始日を３１日に後ろ倒し

・茂原七夕まつり（千葉県茂原市）

→２８日の阿波踊りなどのイベントを中止

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