直木賞を受賞した「蜩(ひぐらし)ノ記」などの歴史・時代小説で知られる作家の葉室麟(はむろ・りん)さんが23日、福岡市内の病院で死去した。66歳だった。通夜・葬儀は近親者で執り行う。
現在の北九州市出身。西南学院大文学部を卒業後、地方紙記者などを経て、50歳を過ぎてから創作活動に本格的に入った。歴史文学賞を受賞した「乾山晩愁」で2005年に作家デビュー。12年に直木賞を受けた「蜩ノ記」は映画化された。16年には「鬼神の如(ごと)く 黒田叛臣(はんしん)伝」で司馬遼太郎賞を受賞した。
歴史・時代小説のスタイルを取りながら、現代にも通じる「組織の中での個人」に光を当て、主人公の人としての誇りや意地を描き、多くのファンを得た。福岡県久留米市で執筆し、15年4月から朝日新聞西部本社版に歴史紀行「曙光(しょこう)を旅する」を月1回連載していた。単行本は50冊を超えるほど多作で、現在も雑誌に数本の連載を抱えていたが、11月に体調を崩して入院していた。
■「命ある限り書き続けた」東山…
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