クレーンゲーム機を景品が取れない設定にして客から料金をだまし取ったとして、大阪府警は23日、大阪市と京都市でゲームセンターを運営する「アミューズメントトラスト」(大阪市浪速区恵美須東3)社長、大平剛史容疑者(33)=大阪市住吉区沢之町2=と、25~36歳の従業員の男女5人の計6人を詐欺の疑いで逮捕し、大阪・ミナミや日本橋、新世界などの5店舗を家宅捜索した。クレーンゲーム機を巡り詐欺容疑で立件するのは全国で初めて。
逮捕容疑は今月上旬、大阪市中央区道頓堀1と同市浪速区難波中2の2店舗で、20代の女性計4人に、「絶対取れる」などと告げて、景品が取れない設定にしてあるゲーム機で遊ばせ、料金計47万円をだまし取ったとしている。大平容疑者は「不正な操作や『絶対に取れる』という接客を指示したことはない」と容疑を否認し、従業員5人は認めている。
保安課によると、店内には、ボタン操作でカッターの刃を使いひもを切って景品を狙うなど数種類の機械があり、1回500~1万円。設定で成否を変更できる仕組みになっていた。景品は電動立ち乗り二輪車や家庭用ゲーム機、入手困難なアニメのフィギュアやぬいぐるみなど1点最高数万円程度のものを展示。失敗を続ける客のそばで店員が「今やめるともったいない」などとあおり、こっそり設定を変えて客に代わって成功する様子を見せていたという。
今年8月、道頓堀の店舗で「景品が取れない」という苦情が府警にあった。10月以降は連日のように相談が寄せられたといい、府警は、2015年以降、少なくとも36人が計約600万円の被害に遭ったとみている。
近くに店がある同業者らの間では、同社の店舗がクレーンゲームでぼったくりをしているとのうわさがささやかれていた。
大阪市浪速区の新世界でゲームセンターを運営する男性(41)によると、大平容疑者は約3年前に新世界に店を出し、その後京都やミナミなどに相次いで出店。関西のゲーム業界では有名な存在だったという。
男性は、カップルが泣きながら店を出てきたり、「だまされた」と客が激怒して警察官が駆け付けたりするのをたびたび目撃。ある客は「30万円使った」と話していたという。この男性は「同業者は皆怒っている。年末年始の書き入れ時なのに、利用客が減ってしまう」と憤った。【伊藤遥、高嶋将之】
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