舞台挨拶に立った蒼井優、阿部サダヲ、
松坂桃李、竹野内豊、白石和彌監督
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[映画.com ニュース] 女優の蒼井優と俳優の阿部サダヲが10月28日、主演映画「彼女がその名を知らない鳥たち」が封切られた東京・新宿バルト9で、共演の松坂桃李、竹野内豊、白石和彌監督とともに初日舞台挨拶を行った。
「共感度0%、不快度100%」をうたい文句に、あらゆる局面で最低といわれる男女4人がいびつながらも究極の愛を描く大人のラブストーリー。蒼井は阿部と暮らしながら8年前に別れた竹野内を忘れられず、松坂とおう瀬を重ねるというヒロインを演じたが、「ものすごく自分勝手に見えて、実は主体性のない女性だと思い、お三方に対してそれぞれ違う面が見せていけたらと。3本の作品を同時に撮っているようでした」と振り返った。
さらに、「阿部さんとは汚い所ばかりで、松坂さんとはキラキラしたライトのきれいな所、竹野内さんとはウソみたいに白い家や砂浜で撮っていました」と説明。それを聞いた阿部は、「本当に汚い所ばかりだった。(松坂と竹野内が出演した)あんな夢みたいなシーンがあったなんて知らなかった」といじけた。
それでも、「僕は昔、トラックの運転手をやっていて、金髪でひげを生やしもっと汚かった。だから、やっていて心地よかったかなあ」と自己養護。俳優に転じて大成したこともあり、「そんなヤツが今はほら、見てください。主役をやらせてもらって舞台挨拶ができる。芝居をしていて良かった」と誇らしげに話した。
白石監督が、「養護のしようがないクズ」という男を演じた竹野内は、「こういう役は今までなかったので、なぜ私にと思い監督とイメージ的な話をした。白石監督の現場に参加したことが栄養剤になったし今後の糧になる」と満足げ。松坂も「後半にいくにしたがって、憎悪が沸くくらいの薄っぺらい役。その落差がちゃんと出ればと思った」と話した。
同作には、今年7月の舞台出演中に倒れ亡くなった中嶋しゅうさんも出演。キャスティングに関しては蒼井の意向があったそうで、「芝居の面白さを教えてくれた偉大な大先輩。演劇で何度かご一緒したけれど映像がなかったので、差し出がましいと思いながら監督にお話しした」と明かした。
中嶋さんにとっては映画としての遺作となったが、蒼井は「夢がかなってご一緒することができた。ビックリするくらい気持ち悪い役ですけれど、とても愛らしい方。しんみりしたくはないですけれど、中嶋さんの姿を目に焼き付けてください」と訴えていた。
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