有名漫画誌が半年で12誌の休刊 背景はスマホ普及による環境変化 - Crune Blogs

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2018年8月26日日曜日

有名漫画誌が半年で12誌の休刊 背景はスマホ普及による環境変化

 漫画誌の休刊が相次いでいる。

 今年上半期だけで12誌が休刊し、中には人気少女漫画「ガラスの仮面」の掲載誌「別冊花とゆめ」(白泉社)といった人気誌もある。発行部数の落ち込みが休刊ラッシュの原因だが、その背景にはスマートフォンの普及により漫画を読む環境が激変したことがあり、出版関係者は危機感を募らせている。

 「別冊花とゆめ」は昭和52年創刊の月刊誌。天才演劇少女の成長を描く「ガラスの仮面」などの人気作を掲載していたが、5月発行の7月号で休刊した。集英社も、女性向け月刊誌「YOU」を10月発売の11月号で休刊する。学園コメディー「ごくせん」などの人気作を掲載してきたが、近年の発行部数は平均7万6千部ほどに落ち込んでいた。

 このほか、青年漫画誌「月刊バーズ」(幻冬舎コミックス)など11誌がすでに休刊。昨年1年間の7誌から急増し、平成7年以降最多となった26年の36誌(上半期14誌)に迫るペースに。ある出版関係者は「26年は比較的知られていない雑誌の休刊が多かったが、今年は名前のある雑誌の休刊が目立ち、強い危機感を覚える」と話す。

 雑誌の市場規模はこの20年で半減。漫画誌も例外ではなく、出版科学研究所の調査では、昨年の漫画誌(紙)の推定販売金額は前年比9.7%減の917億円。7年のピーク時(3357億円)の3割以下に減った。電子版は前年比5億円増の36億円に留まり、減少分を補えていない。

 落ち込みの要因は何か。同研究所は、スマートフォンの普及で漫画を読む手段が多様化したことを挙げる。電子書店が普及し、単行本の購入が容易になったことに加え、漫画アプリが発達し、時と場所を選ばず読めるようになった。集英社は「YOU」の休刊理由を、「女性読者もデジタル志向が進み、漫画雑誌離れに歯止めをかけることができなかった」と説明する。

 日本雑誌協会の調査では、今年50周年を迎えた少年漫画誌を代表する「週刊少年ジャンプ」(集英社)の今年1〜3月の平均印刷部数は176万部で、前年同期比で15万部減った。子供の漫画誌離れにも歯止めがかからない状況が続く。

 専修大の植村八潮教授(出版学)は「最近は漫画アプリなど無料で漫画を読む手段が多い。スマホの画面に合わせた『縦スクロール』で読むことに慣れ、紙の漫画の読み方がよく分からない子供も増えつつあるようだ。出版社が新規読者獲得の努力を怠れば、漫画誌離れは加速する恐れがある」と指摘する。

 一方で、工夫によって売り上げを伸ばすケースもある。小学館は、月刊誌「少年サンデーS(スーパー)」の表紙や付録に「名探偵コナン」の人気キャラクターを登場させたところ、売り切れが続出した。出版科学研究所の柴田恭平研究員は「漫画は魅力的なコンテンツ。データではなく現物を手元に持ちたい需要もファンには根強く、作品の魅力を生かした工夫次第で雑誌も売れる可能性がある」と話している。(本間英士)

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