将棋の史上最年少棋士で、今夏にデビュー以降29連勝の新記録を達成した藤井聡太四段(15)=名古屋大教育学部付属中3年=が25日、注目の進路について同付属高へ進学する意向を表明した。
日本将棋連盟を通じて意思を明らかにした藤井は「全てのことをプラスにする気持ちでこれからも進んでいきたいです」とコメント。社会現象となった29連勝中からの懸案事項だっただけに、安堵(あんど)の心境だ。
「とにかく強くなりたい」と繰り返す藤井にとって、進学すれば将棋の勉強に充てる時間が十分に取れないというネックがある。加えて対局は平日開催が中心。年間40~50日ほどの欠席はどうしても避けられない。将棋も学業も中途半端となるリスクが生じる。
高校に進まず国内第一人者となった囲碁棋士の井山裕太7冠(28)と今年6月に週刊誌上で対談した影響か、一時は進学回避も選択肢に。一方で藤井が目標とする谷川浩司九段(55)は多忙な対局日程をこなしながら高校を卒業した羽生善治棋聖(47)を例に挙げ、視野の広い棋士となることを勧めていた。
今回の決定は「今までどおり、見守り応援していきます」という母・裕子さんの意向も大きかったというが、師匠の杉本昌隆七段(48)は「最終的には本人の決断」と明かし、「中高一貫校からの進学は自然な流れで、現時点ではベストの選択と思います」と歓迎の意を表した。
進学後の出欠については以前から高校側と話し合いを重ねており、何らかの打開策が図られたもよう。名古屋大学の松尾清一総長は連盟経由で「名大付属は独創性とチャレンジ精神に富んだ学校。高校生活を通して一層大きな飛躍を期待しています」と談話を発表。棋士との二刀流に理解を示している。
谷川九段も「将棋と学業を両立させることで相乗効果も生まれるのではないか」と期待を寄せた。
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