世界中の注目を集めている細田守監督最新作「未来のミライ」が7月20日(金)に公開された。本作は、甘えん坊の4歳の男の子・くんちゃんと、未来からやってきた妹・ミライちゃんが織りなす、ちょっと変わったきょうだいの物語だ。主人公・くんちゃんのおとうさんを演じた星野源が、初参加となった細田作品の魅力はもちろん、自身の子供時代のこと、理想の家族像についても語ってもらった。
――細田監督とのお仕事は初めてだと思いますが、今回の作品を含め、“細田アニメ”に対してどのような印象を持たれていますか?
細田さんは家族というものを何度も形を変えて描かれていると思うんですけど、今回はこう来たかと。というのも、やっぱり見たことのないバランスの作品になっているんですよね。脚本を読んだときも、いい意味で「何だこれは!」と思いましたし、そういう細田さんのアヴァンギャルドな気概みたいなものがあらためて好きだなと思いました。
――確かに細田監督の作品は、家族をテーマにしたものが多いかもしれませんね。
「バケモノの子」(2015年)は家族ではない者たちが家族になっていく話でしたが、それって今のトレンドでもあるんですよね。現在の多様性が求められる時代の中で、血や人種、性別に囚われない家族というものをどう新しく描いていくか。みんなそれを模索しながら一生懸命にやっているけど、細田さんはそのもう一歩先に行っている感じがするんですよね。
というのも、今回の「未来のミライ」は血のつながっている家族でありながら、家族になるために努力していく物語。その中には細田さん自身が経験されたエピソードもあって、そういった個人的な部分とポピュラーな部分の両極端を保ちながら作品を作られているのが、制作者の姿勢として感動するものがありますね。
――星野さんが演じられたおとうさんは、くんちゃんのときはおかあさんに育児を任せっきりだったのが、くんちゃんの妹・ミライちゃんが生まれてからは仕事と育児を両立させようと奮闘します。どこか頼りなげな雰囲気を含め、星野さんにぴったりだと思いました。
おとうさんはくんちゃんが生まれたときには仕事で忙しく、育児はおかあさんに任せっぱなし。そのときにちゃんと向き合えなかったという思いがあるから、それを取り戻そうとしているんだと思います。先ほどお話ししたように、これは家族が家族になろうとする話で、もちろん主人公はくんちゃんなんですけど、おとうさんの成長物語でもあるなと。だから、おとうさんが悩みながらも一歩ずつおとうさんらしくなっていく姿も見どころだと思います。
映画「未来のミライ」
7月20日(金)公開
配給=東宝
監督・脚本・原作=細田守/声の出演=上白石萌歌、黒木華、星野源、麻生久美子ほか
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