第159回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が18日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は高橋弘希さん(38)の「送り火」(文学界5月号)に決まった。東日本大震災を題材にしながら、参考文献の不掲載と類似表現が問題になった北条裕子さん(32)の「美しい顔」(群像6月号)は受賞を逃した。
受賞作は、青森・津軽地方にある廃校間近の中学校が舞台。東京からの転入生と地元の少年グループが織りなす平穏な日常が失われ、残酷な暴力が剥き出しになる瞬間を印象的に描く。
高橋さんは昭和54年、青森県十和田市生まれ。文教大文学部卒業後、予備校の国語講師に。平成26年に「指の骨」で新潮新人賞を受けて作家デビュー。29年に「日曜日の人々(サンデー・ピープル)」で野間文芸新人賞を受賞。芥川賞候補は今回が4度目。
贈呈式は8月下旬、東京都内で開かれる。賞金は100万円。
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