作家で僧侶の瀬戸内寂聴さん(96)が26日、京都・寂庵で発売中の新著「命の限り、笑って生きたい」(光文社)の取材会を開き、「生きる=愛」という持論を説いた。
豊富な人生経験から「生きることで1番、生きたと思う瞬間や幸せなことは、やっぱり人を愛すること」と話し「愛することの究極は許すこと。ほんとに人を愛したら人を許せます。そうすると世の中がうまくいくんじゃないか」と我流の考えを明かした。
晩婚化が進む現代にも「一生、身を固くして死んでゆくのは清らかなように見えるけれど、やっぱりそれは生きたってことにならないんじゃないか。傷ついても構わないから、恋愛した方がいい」とアドバイスを送った。
昨今はニュースなどで不倫が社会問題となっているが「不倫がいけないなんて誰が言い出したんでしょうね」と涼しい顔で「恋愛っていうのは雷のように落ちてくる。(恋愛は)順序立てて来るもんじゃない」。衝動的な人間の本能に「雷のように落ちてくる不倫がいけないって今(ニュースなどで)やってますけど。そんなこと言ったら一生、男も女も1人でいるしかない」と豪快な考えも披露した。
突拍子もない寂聴さんの発言に記者から驚きの笑いが起きると「これは尼さんの瀬戸内寂聴ではなく、小説家の瀬戸内寂聴が言った。尼さんはそんなこと言っちゃいけない」と、ちゃめっ気たっぷりに笑顔を見せた。
96歳となり「『いつ死ぬか』ってことばっかり(毎日)考えてます。こればっかりは分からない」と言いながらも「死ぬってことが目前に迫っても、そんな暗くなんかならないですよ」と生き甲斐であるという執筆活動に精を出していると語った。
同著は66歳年の離れた美人秘書、瀬尾まなほさん(30)との愛情あふれるユーモラスな掛け合いを収録した対談集。自然な日常会話が描かれているそうで「(読み返すと)思わず吹き出す、笑っちゃう」とアピールした。同じく発表された「しあわせクッキー」(19年2月1日発売、春華堂)は寂聴さんが同商品のために書き下ろした新作メッセージがデザインされている。商売に関わると悪口を言われるから極力やってこなかったというが「もうすぐ死ぬから、何でもしとけ」とコラボを承諾したという。
7年前から秘書を務める瀬尾さんは「こんなにも人生が変わっていくということが信じられない」と寂聴さんとの出会いで人生が変わったと感謝。「ユーモアがあるから、一緒にいて楽しい」と話した寂聴さんは、共同生活を始めた当初に瀬尾さんが朝から自分のスカートをめくってパンツを見せびらかし「こんなかわいい(パンツ)の買ってきてあげましょうかなんて言うんですよ。こんなことする娘っている?」とユーモアあふれる瀬尾さんとのエピソードで笑わせてた。
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