「もの言う」ジャニーズアイドル、“精神的苦痛”公表の裏に芸能事務所の変化も - Crune Blogs

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2018年11月22日木曜日

「もの言う」ジャニーズアイドル、“精神的苦痛”公表の裏に芸能事務所の変化も

 関ジャニ∞大倉忠義が『Johnny’s web』内のブログにおいて、暴走するファンへ“苦言”を呈したことが大きな話題になっている。しかも、「そろそろ限界」と自身の精神的な苦痛まで赤裸々に言及していることも、ジャニーズのアイドルとしては異例中の異例。さらにそれが公になり、メディア各社も大々的に取り上げていることも珍しいことだ。芸能界の労働環境に注目が集まる今、現在進行形の問題として告白した大倉の発言は、一体何を意味しているのだろうか。

地上波の情報番組でも議論に…衝撃与えた苦言と精神的苦痛の告白

 大倉は関ジャニ∞の最年少メンバーであり、バンドではドラムを担当。クールな印象もあるが、どちらかと言えば大らかな性格で知られており、いわゆる「俺が俺が」と前に出るタイプではない。そんな大倉が11月8日の『Johnny’s web』内のブログで、「(ファンの)身勝手な行動が精神的に辛いです。このまま耐え続けられるのだろうか」と自身の苦悩を綴り、「普通の人に戻る方がよっぽどらくだろう。そろそろ限界だ」と締めたのである。

 この唐突とも言える大倉の発言に対し、テレビ局もこぞって報道。『とくダネ!』(フジテレビ系)では、小倉智昭キャスターがファンの付きまとい行為について古市憲寿氏に意見を求め、『バイキング』(同)でも坂上忍が「勇気ある訴え」、「一線を越えてしまったら、もうファンではない」などと大倉に賛同。さらに『アッコにおまかせ!』(TBS系)では和田アキ子が、「意外に芸能人って言いたくても思っていることをなかなか言えない。我慢する。ファンの方あっての私たちだし。ここまで言うということは…」と大倉の気持ちを慮り、『サンデージャポン』(同)でもタレントの西川史子が、「ジャニーズのファンの方はすごくマナーがしっかりしていると言われてきた」とコメント。基本的に各番組は大倉に同情しつつ、タレントと一部ファンとの(一方的な)“濃密”な関係には、かねてより問題があることを認識していたことがうかがわれたのである。

大倉にキンプリ岩橋、赤裸々に“苦悩”を明かしはじめたジャニーズアイドル

 ただ、ファンの行きすぎた行為について、ジャニーズ事務所所属のタレントが注意を促すことは“大倉以前”にもあった。事務所にしても、9月28日に公式サイトを更新した際、King & Princeのメンバーが宮城公演で移動中、JR仙台駅で一部ファンによる重大なマナー違反行為があり、新幹線の発車を遅延させてしまったことを報告。「今後の公演が開催できなくなる事態が現実化する極めて深刻な状態」と告げ、「過剰な付きまとい行為、迷惑行為は絶対におやめください」と再三再四、注意を呼びかけてきている。

 一方、今回の大倉発言とは意味は異なるが、自身の抱えた精神面での病について告白するジャニーズタレントもいる。先ごろ活動休止を発表したKing & Princeの岩橋玄樹は、事前にドキュメンタリー番組でパニック障害を告白し、精神面の問題を抱えていることを自ら語った。過去には、KinKi Kidsの堂本剛が10代のころにパニック障害に悩んだ例がある。本人は、おもに病状が緩和してから述懐する形で告白したが、活動を休止することはなかった。

 今回の大倉発言はそうした明らかな病気ではないが、「ストーカー行為ではないのか」、「ストレス以外のなにものでもない」、「寿命が縮まっている」等々、かなりの精神的苦痛を受けている節があり、ことの深刻さが心配される極めて異常な事態と言える。b

芸能界の労働環境も問題に、事務所もタレントの精神面を守る動き

 こうしたタレントの発言や状況を公にするか否かを判断するのは、通常は所属事務所であることが多い。実際、先の『とくダネ!』でも、大倉のブログは事務所の了解の上で公開されているのではないかとの指摘があった。

 今や一般社会では働き方改革が叫ばれ、企業の労働環境がたびたび問題視されるし、何かあればSNSやネットですぐに拡散する。芸能界といえどもそうした時流には逆らえず、コンプライアンスを重視する必要もますます高まっている。そしてここにきて、ついにジャニーズ事務所も所属タレントの窮状を隠すことなく明らかにするようになり、問題が大きくなる前に対策を講じた形となった。精神面でもタレントに無理を強いるのではなく、問題を“透明化”することで、今まで以上に守る方向へと舵を切ったように見えるのだ。

 大倉発言のように、タレントたちの公私における“問題”を公にすることによって、この先どのような影響が出てくるのかはまだわからない。しかし、岩橋のパニック障害の告知と治療に専念するための芸能活動休止は、本人の健康面を考慮すれば、事務所はまったく正しい判断をしたと言えるのではないか。

夢売るアイドルも人間、現在進行形で公表することは英断

 アイドルといえども、当たり前だが普通の人間である。何かしらタレントに重大な身体的・精神的な問題が発生しているときは、事務所をはじめ周囲のスタッフやメンバー、ましてやファンたちがケアするのは当然として、何よりも本人が自身が陥っている事態を認識し、それを発言・伝達できる環境にあることがもっとも重要なことであろう。

 アイドルは、ファンたちを楽しませ、夢を見せることを信条とするだけに、ネガティブに受け取られがちな問題については、これまでなかなか表に出してこなかった。今回の大倉発言のように、「賛否あるだろう事をわかった上で」、現在進行形の問題を世間に広く公表できるようになったことは、大きな進歩とも言えるのでないだろうか。

 タレントにしてみればファンファーストはもちろんだろうが、それ以前に芸能界は“タレントありき”であり、そのタレントは“人間”である。今回のジャニーズのタレントたちの“勇気”と事務所の“英断”によって、今後はファンたちとの関係性がますます“健全”になることを祈ってやまない。

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