「過去の交際相手全員、鼻毛が出ている人でした」――今年結婚したばかりの澤田夏美さん(仮名・25歳)は、そう呟く。曰く、ふと彼の顔を見ると、大体鼻から毛がのぞいているというのだ。(文:市ヶ谷市子)
「別に鼻毛が出ている人を意識的に選んでいる訳ではないんです。ふだん生活を送る上でも『鼻毛が出ている人が多いなあ』とは思わないんですけど、なぜか付き合う人付き合う人全員鼻毛が出ている人なんです」
「みんな鼻毛カッター持っているし、朝に手入れをしていると言ってるんですけど……」
一般的に鼻毛は、空気の悪い場所で過ごしていたり、煙草を吸うなどしていたりすると伸びると言われている。今の夫を含め6人と交際したが、喫煙者はいたものの、非喫煙者でも出ていたようだ。
彼女は、彼の鼻からぴょこっとのぞく毛に気づくたびに「出ているよ」と伝えていた。そこから彼側の対応は「その場で引き抜く」タイプと、「その場は押し込んでやり過ごす」タイプに分かれるという。歴代彼氏を振り返ると、割合は半々で、夫は後者だと話す。
「見つける度に指摘しましたが、直らないんです。夫も鼻毛が出ているタイプで、ずっと『出ているよ』って言ってるんですけど……一生直らないんだなって思っています。みんな鼻毛カッターは持っているし、朝に手入れをしていると言ってるんですけど……」
夏美さんが思うベストの長さと交際相手のベストに開きがあったのかもしれない。単純に鼻毛カッターが下手な人ばかりと付き合っているのかもしれない。今となっては知る由もないが、「もしかしたら私と彼の身長差が影響しているのかも……」と話す。
「私は150センチ台で、多くの男性は私より高い。そのため彼氏のことも自然と下から見上げることになります。だからでしょうか。見えるんですよね、鼻毛。男性といっても、ただの友達や上司だとある程度距離を保って話すからわからないだけで、本当は多くの男性が出ているかもしれません」
彼の鼻毛が出ているかは寄り添って歩いていける距離になるまで分からない。夏美さんは蓋を開けるまで生死がわからない「シュレディンガーの猫」ならぬ、「シュレディンガーの鼻毛」理論があるのではないか、と考えているようだ。
「鼻毛が出ていない自己肯定感が低い男性」より、鼻毛が出ている人の方が好み
鼻毛が出ている男性たちと付き合う中で、夏美さんはある共通点に気づいたという。
「みんな毛深かったです。でも、毛深い人すべてが鼻毛が長い訳でもないとは思います。あと全員、自己肯定感は高かったですね」
自己肯定感が低い人間だと、彼女に嫌われたくないため「好きな子の前で鼻毛なんて出して俺は……」と今後一切鼻毛を見せないように努力するだろう。しかし自己肯定感が高い人は「鼻毛を出していても俺のこと嫌いにならないだろう」と思っている可能性がある。
「そうですね、もともと自信満々な男性がタイプです。そう考えると、確かに『鼻毛が出ていない自己肯定感が低い男性』より、『鼻毛が出ている自己肯定感が高い男性』の方がいいです。だとすると私は鼻毛が出ている男性が好きということになるかもしれませんね」
以前は飛び出した鼻毛を見る度に憤りを感じていたというが、「でも私も鼻のかみ方がうるさいって言われるけど直せないし、直す気もないです。もう結婚してしまったんで、鼻毛が出ている彼とうまく付き合う方法を考えた方がいいなって思っています」という。現在も、鼻毛を見る度「出てるよ」と指摘している。
「本人は一応恥ずかしいと思っているみたいです。でも直らないんですよね。本当何でなんですかね」
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