今クールの連続テレビドラマ『花のち晴れ~花男 Next Season~』(TBS系)第1話が17日、放送された。
主人公の江戸川音(杉咲花)は超セレブ家庭の子ばかりが通う名門・英徳学園高等部2年生。音の家も、以前は父親が大手化粧品メーカーを経営する超お金持ちだったが、会社が倒産して、今は母親の由紀恵(菊池桃子)とボロアパートで極貧生活を送っていた。音には許婚(いいなずけ)がおり、そのお相手は、なんと英徳学園のライバル校・桃乃園学院で生徒会長を務める馳天馬(中川大志)で、音は天馬の継母・利恵(高岡早紀)から英徳学園卒業を結婚の条件に課されており、音はコンビニエンスストアでアルバイトをしながら英徳学園に通っていたのだ。
しかし、英徳学園には同校のブランドとステータス向上に取り組む生徒5人組「C5(シーファイブ)」が中心的グループとして幅を利かせており、彼らに“庶民”であることがバレると即退学しなければならないルールがあり、音は素性を隠し日々怯えながら学校生活を送っている。
そんな音はある日、コンビニでバイトをしていると、なんとC5のリーダーで英徳学園ではカリスマ的存在の神楽木晴(平野紫耀)が客として現れ、晴は通販で購入した“持っているとカリスマ性が出る石”をレジで受け取りに来たことが音にバレる。一方の音も、晴に“庶民”であることがバレ、2人とも「終わった……」とつぶやき絶望的な気分になる。
翌日、学校で晴の車内に連れ込まれた音は、退学するよう命令されるが、音は自分を英徳学園にいさせないと全部バラすと晴を脅す。焦った晴は、音に秘密をばらされない方法をC5のメンバーに相談すると、音と恋人になれば晴が困るようなことをしないのではないか、とアドバイスを受ける。晴は早速、音のバイト先に高級車で迎えに行き、自宅の豪邸で豪華な食事を振る舞う作戦に打って出る。
しかし音は、感動するどころか過去の裕福だった頃の記憶を思い出し辛い気持ちになり、さらに同伴してきたバイト仲間を“庶民”だとコケにしまくる晴にブチ切れ、ローストビーフの塊で晴をぶん殴り、帰ってしまう。
帰り道、晴は夜道を一人で歩いていると、知人の男性から襲われるが、そこに晴が現れ、身を挺して男性を撃退し音を助ける。そして、自分は庶民である音を好きになったりはしないと宣言し、わけがわからない音は困惑。さらにそこに許婚の天馬が現れ、3人の間に微妙な空気が流れるところまでが、第1話で放送された。
●松本潤が登場
典型的な学園モノなので、当然ながら私のようなオバサンを視聴者層として想定していないことは重々承知しているが、それにしても、あまりにクダらなくて、本当に約1時間見ているのが苦痛だった。少なくとも30代以上の人は見ないであろうし、かといって今の中学生や高校生が見るとも思えないのだが、いったい誰がこんなドラマを見るんだろうか。想像もできない。
たとえば、英徳学園の校門前で同校の女子生徒がガラの悪いヤンキーたちに囲まれてイジメられているシーン。日頃はカッコつけて「英徳学園のリーダー」を気取っているC5の晴が、見て見ぬふりをしてその場から逃げ去ろうとしているのを見て、音は晴に「しょうもない」と捨て台詞を吐き、一人でその女子生徒を救い出そうとヤンキーたちに立ち向かっていく。そこで晴は勇気を出して彼らに攻め入ろうと前進していくと、足を絡ませて転びそうになるも、偶然に伸ばしたパンチが相手の腹に決まり、ノックダウンを食らわす。そこで集まっていた生徒たちに喝さいを浴びるのだが、こんなどうしようもないシーンのオンパレードを、今の10代が楽しみに見るとは思えないのだが……。
そんな同ドラマだが、唯一気になったのが、晴の少年時代の回想シーンで嵐の松本潤が登場するシーンだ。同作は、今から約13年前に放送された連ドラ『花より男子』(同)の続編的な位置づけであり、公式サイト上でも「映画版でシリーズの幕を閉じてから10年の時を経た今、もうひとつの新たな“花男”がこの『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』となる」と謳っている。その『花より男子』に出演していた松潤が当時の道明寺司役で今回も登場したのだが、『花より男子』といえば、松潤が結婚間近とも報じられながら自身のセクシー女優との二股交際が原因で破局した井上真央との共演作でもあり、この共演がきっかけで交際がスタートしたといわれている。
そんな松潤にとっては“特別な意味”のある作品の続編に、10年以上の時を経てひょこりと出演した松潤は、「いったい、どんな気持ちなんだろうなあ……」と、なんだか胸がザワザワしてしまった。そこで、気になってネットで『花より男子』出演当時の松潤を見て、改めて今回の出演シーンを見てみたのだが(顔は横顔オンリーだけどね)、「松潤、老けたな」という印象は否めず、若干衝撃を受けたのは私だけあろうか……。
そんなこんなで、私は次回は絶対見ないけど、こんなに酷評して、結構視聴率良かったりしたら、それはそれで興味深い現象といえるだろう。でも、やっぱり杉咲花はいい女優さんだし、高岡早紀も相変わらずエロいことに安心した『花のち晴れ』であった。
(文=米倉奈津子/ライター)
0 件のコメント:
コメントを投稿