東京都豊島区の簡易宿泊施設で昨年10月、利用客の男性が殺害された事件で、警視庁捜査1課は5日、強盗殺人容疑で、当時この施設に宿泊しており事件後に死亡した住所、職業不詳の男(79)を容疑者死亡のまま書類送検した。男は元指定暴力団関係者で、繁華街で少年少女の更正にあたる「夜回り組長」として活動。石原伸司の名前で作家活動もしていた。
送検容疑は昨年10月26日未明、豊島区駒込のサウナ付き簡易宿泊施設で、客の無職、木村清己さん=当時(71)=の首を絞めるなどして殺害し、腕時計(時価100万円相当)を奪ったとしている。
防犯カメラの画像などから、男に似た人物が腕時計を付けて施設を出た後、台東区内の質屋を訪れ、木村さんのものと型番の同じ腕時計を持ち込んでいたことが判明。また、木村さんの着ていたガウンに付着していた血液が男のものと一致した。
男は今年3月6日、墨田区で別の男性に刃物で切りつけた後、隅田川に飛び込み、溺死しているのが見つかっていた。周囲に「死にたい」と話していたといい、捜査1課は自殺の可能性があるとみている。
男は平成20年、産経新聞のインタビューで、夜回り組長として少年少女の悩みを聞き歩く活動について、「自分でも何かの役に立てるんだと感じた。残りの人生は非行少年の更生に費やそうと決めた」などと語っていた。(産経新聞)
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