新潮社の看板に落書き。
LGBT(性的少数者)への表現をめぐる騒動が、波紋を広げている。
新潮社のすぐ横にある看板だが、落書きされた部分がブルーシートで覆われてしまっている。
東京・新宿区にある出版社、新潮社。
シートに覆われていたのは、本社の横に立つ新潮文庫のキャラクター「Yonda?」君の看板の一部。
近所の人が23日、撮影した映像。
看板に「あのヘイト本、」と書き加えられ、キャッチコピーと合わせると、「あのヘイト本、Yonda?」と読めるように落書きされていた。
議論を呼んでいるのは、新潮社の月刊誌「新潮45」の最新号に掲載された、「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」と題された特別企画。
そもそものきっかけは、7月、自民党の杉田水脈衆議院議員が、「新潮45」8月号への寄稿文で、「LGBTの人たちは子どもを作らない。つまり『生産性』がない」などと表現し、批判が相次いだ。
議員辞職を求める抗議デモなどが起きる騒動となったが、杉田議員本人は、一切、公の場で言及せず。
こうした中、「新潮45」は、9月に発売された10月号で、杉田議員を擁護する特集を組んだ。
街の人は、「議員の意見を載せたまでは、各個人の意見だからいいんだけど、それをまたフォローするような記事を載せる、あれはやりすぎ」と話した。
議論を呼んだ「新潮45」の最新号は、書店では売り切れが相次ぐ事態に。
三省堂書店神保町本店・副田陸児店長は、「いつもより1.5倍くらい仕入れたんですけど、2日で売り切れてしまいました。『新潮45』は、そこまではやい動きが出る雑誌でもないので、びっくりしている」と話した。
しかし、内容をめぐっては、新潮社内部からも異論が噴出し、新潮社出版部文芸のツイッターアカウントは、創立者の言葉を引用する形で、「良心に背く出版は、殺されてもせぬ事(佐藤義亮)」とツイート。
1896年創立の日本を代表する老舗出版社が、揺れに揺れるこの事態。
騒ぎの拡大を受け、創立者のひ孫にあたる佐藤隆信社長は、異例のコメントを発表した。
「『新潮45』の特別企画のある部分に関しては、あまりに常識を逸脱した偏見と認識不足に満ちた表現が見受けられました」、「弊社は今後とも、差別的な表現には十分に配慮する所存です」。
ところが、このコメントに“謝罪”の言葉がなかったことで、さらに波紋は広がり...。
小説家の深沢 潮さんは、「大変心を痛めておりますと同時に、強い憤りを感じております。新潮社の対処いかんによっては、刊行を取りやめるつもりでいます」と、フェイスブックに投稿。
小説家の深沢 潮さんは、11月に予定していた新潮社からの新刊の出版を取りやめる可能性を示唆した。
さらに、和歌山県の書店は、抗議のため、新潮社の出版物を店頭から撤去することを決定した。
ウェブサイトには、「『新潮45』10月号への寄稿の中には、LGBTの方々や痴漢被害者の方々をただ嘲笑するだけのあまりにひどい内容のものがありました。当店は、20坪に古本と新刊の両方を扱う、街の小さな書店です。その販売自粛は、自分たちのような小さな存在なりの形で、抗議の意思を示す必要を感じたからです。決して同様の抗議を、他店やお客様に望むものではありませんし、もちろん、新潮社様が多くの素晴らしい書籍を出されていることを、否定するものでもありません」とコメント。
騒動が拡大する中、今後、新潮社はどう対応するのか。
事態が収束する見通しは立っていない。
続きを読みます https://www.fnn.jp/posts/00401604CX
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