岡田准一、『散り椿』初日の木村大作監督に涙…「友のように思う」 - Crune Blogs

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2018年9月28日金曜日

岡田准一、『散り椿』初日の木村大作監督に涙…「友のように思う」

映画『散り椿』(9月28日公開)の公開初日舞台挨拶が28日に都内で行われ、岡田准一(V6)、西島秀俊、黒木華、池松壮亮、木村大作監督が登場した。

同作は葉室麟による同名小説を映画化。カメラマンとして数々のキャリアを持ち、映画監督としても『劔岳 点の記』(2009)で第33回日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞している木村大作がメガホンを取る。藩の不正を訴え出たために追放された男・瓜生新兵衛(岡田)が、死を迎える妻・篠(麻生久美子)に頼まれ、かつての親友・榊原采女(西島)と対峙する

登場した木村監督は、「ワー!」と叫び、「来年80になる男が、皆さんを見て、感動しています。ありがとうございます」と頭を下げる。その姿を見ていた岡田は下を向き、目を拭っていたが、撮影の話を向けられると「本当に、大作さんの……」と言いながら声を詰まらせてしまう。

岡田は「大作さんの思いみたいなものが……すいません、大丈夫です」と言いつつ、涙が止まらない様子。隣の西島がハンカチを渡し、肩をたたいて励ますと、岡田は「本当に大作さんとやれてよかったです。すいません、代わりに喋ってください」と苦笑。さらに「大作さんの人生をかけてここに立っているというのを、現場でも感じていたし、さっき感極まってたのを見ていたので、もらい泣きしました。映画ってこうなんだな、1本1本思いをかけて撮っていくという背中を見せていただきました」と語った。

西島は「最後のカットを撮る時に、倒れられて。変な話、そのまま……お堂みたいなところで寝ててね、もう複雑でしたね」と苦笑。仕事の時はご飯を食べず、コーヒーだけを飲んでいる、という木村監督は「気分が悪くなって、吐いたんです。吐いたものが茶色だったので、最初、血だと思ったんですよ。『俺もこれでいよいよ終わりだ』と。ただ『このラストカットで死んだら、確実に新聞に大きく出るので、ヒット間違いなしだろう、それもかっこいいな』と思って寝転んじゃったんですよ」と振り返る。「そのあとユンケルの高いやつを2本持ってきてくれたんですよ。それ飲んだら、けろっと治っちゃった。お恥ずかしいお話を」と事情を説明した。

この流れに、池松は「遺作みたいな流れになってますけど、大丈夫ですかね」と心配。「僕はまだ撮って欲しいんですけど、お気に召さなかった方も、最悪、なんかいい感じに宣伝してもらわないと、本当に遺作になってしまうかもしれないので、よろしくお願いします」と観客に頼んでいた。

小栗旬からの推薦コメントも話題となった同作に、岡田は「素晴らしいコメントありがとう」って連絡しました」と明かす。さらに木村監督については「ずっとセンチメンタルになっていて。強い方なんですけど、この1週間、様子がおかしくて『准ちゃん、寝れないんだ』って。映画に対する思いや、初日に対する思いをずっとそばで見てたから、さっきはちょっとやばかったです」と心境を吐露。「ずっともう、入る前から『やばいな、やばいな』と思ってたんですけど。ね、大作さん? もう大丈夫ですよね? 僕がもらい泣きしちゃって、すいません」と謝った。

木村大作監督へ、役者陣からの感謝

最後に、役者陣それぞれから木村監督への感謝を表し、握手することに。池松は「人生を見せてもらったことを光栄に思ってますし、何より毎日ご飯を食べさせてもらったことを感謝しています」、黒木は「今まで出てきた時代劇とは違う芝居をやらせていただけたことと、『俺が誰よりも黒木華を美しく撮るから』と言ってくださって、映画の中には里美という女性がすごく美しく映っていたので、嬉しかったです」とコメントする。

撮影所に憧れていたという西島は、「大作さん見るだけで感動してて、遅れてきた後輩たちに、本当の活動屋の息吹を毎日感じさせてくださって、感謝してます」と語る。また岡田は「生き様とか人生とか全てをぶつけて映画に取り組んでいる姿を、ずっと身近で見させていただきましたし、不思議な関係を感じていて。すごく歳も離れてますし、大作さんの孤独を知った時に、大作さんの……」と再度言葉を詰まらせた。

しかし岡田はまた口を開き、「1番の理解者でいたいと思ったし、大先輩におかしいよと言われるかもしれないけど、友のように思いながら、ずっと一緒に撮影させてもらって。ずっと大作さんは『今、人生の終焉を歩いている』とおっしゃってて。その時に僕とやりたいと言ってくださってるという重さみたいなものもすごく感じながら、もちろん光栄に思いながら、います」と語り始める。

さらに岡田は「2人の関係なので、皆さんにわかるかどうかはわからないんですけど、大作さんがこれを終わりだと思わず、もう1本でも2本でも、生きてきた証を撮られることを望んでいますし、そのための力になりたいと思って、この作品に僕も参加させていただいていた。大作さんの魅力にスタッフ含め、みんな『祭りだ』と言いながら、現場でわーっと撮影をしてました」と改撮影の様子を説明。「『これが映画なんだな』ということを教えてもらった気がしますし、大作さんが伝えてくださったことをいつもすごく感じています。人前で恥ずかしいですけど、ありがとうございます」と頭を下げ、木村監督と熱い抱擁を交わした。

これらの言葉に、「泣けっつの?」と返して、会場を笑わせた木村監督だが、「これは嘘も隠しもなく、俳優さんの中で、僕のことを一番詳しい」と岡田について語る。「現場でもスーッときて「こういうのはどうでしょうか』と言ってくれる」「主役が岡田さんだから、岡田さんの話に絞ってやってますけど、素晴らしいを超えてます。すごい人たち」と改めて役者陣を称賛した。

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