舞台挨拶に立った満島ひかりと永山絢斗
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[映画.com ニュース] 満島ひかりの約4年ぶり単独主演映画「海辺の生と死」が7月29日、東京・テアトル新宿で封切られ、満島をはじめ共演の永山絢斗、井之脇海、川瀬陽太、津嘉山正種、メガホンをとった越川道夫監督が舞台挨拶に出席した。
島尾敏雄氏の私小説「死の棘」に、同氏の妻である島尾ミホ氏の小説「海辺の生と死」や敏雄氏の短編小説「島の果て」などの内容を織り交ぜることで実写映画化へと結実。奄美群島・加計呂麻島(かけろまじま)を舞台に、ミホ氏をモデルにしたトエ(満島)と敏雄氏をモデルにした朔(永山)が出会い、結ばれるまでの鮮烈な時間を映し出した。
着物姿で登場した満島は、「初日は映画と離れる日。悲しさと嬉しさが相まっています」と挨拶。奄美大島や加計呂麻島でも上映会が行われただけに、「ここにいる俳優以外は島の人が出演してくれた映画。奄美では、小学生役の子どもたちが来てくれました。成長して変声期を迎えている子もいましたし、『映画撮影はもう勘弁。眠れないから』『僕は案外俳優としてやっていけるかも』と言っていたり、すごくかわいかった」とほほ笑み、「トエは社会や戦争に負けずに愛を貫き生きた人。そして奄美は空もくもりがち、海も群青色で、かわいらしい女性のような島だと思っていました。そういった“女性性“を映せればと思っていました」と込めた思いを明かした。
永山は撮影に思いを馳せ、「島に馴染んでいく感覚が心地よかった。監督に『戦争映画ではないから、戦争色を出さないように』とよく言われていました」と語る。そして「トエとの浜辺でのシーン」では、「スタッフさんが視界に入る機材をどけてくださったり、環境を整えてくれた。ありがたく、すごく贅沢な経験」と話し、「目に見える情報でこんなにも違うんだと思った。どの現場も、出来たらそうしてほしい」と本音をぶっちゃけると、場内から笑いが起きた。
さらに津嘉山は、「私も沖縄から出てきて50何年この仕事やっています。俳優には2種類あって、努力して演じる人と、演じるために生まれてきた人がいる」と口火を切る。「西田敏行という男に、こいつは俳優になるために生まれてきたと感じたことがあります。同じことを、満島さんにも感じました。発するオーラ、目の力。ものすごく大きな花が開く女優になる」と褒めちぎり、「ちばりよ(頑張ってよ)」と言葉をかけると、満島も「ちばります」と力強く返答していた。
また満島に歌唱指導した島唄の第一人者・朝崎郁恵氏が登壇し、花束をプレゼント。歌も生披露し、目を閉じ神妙に聞き入っていた満島は「今でも疲れたりすると、島唄を口ずさんでいます」と朗らかに笑った。
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