奇抜な衣装や異様な盛り上がりですっかり全国区となった北九州市の成人式が7日、北九州メディアドーム(同市小倉北区)で開かれた。
今年は会場周辺で飲酒を禁止する措置がとられたほか、式典は妨げないという暗黙の了解も守られ、事件に発展することはなかった。会場周辺には「ユーチューブ」用に動画を撮影する集団もおり、観光名所化していた。(九州総局 中村雅和)
今年は静か?
式典開始1時間前の午前10時半、会場に近づくと、隣接する公園に「酒類持込禁止」の文字が見えた。市職員らがワインや焼酎の瓶を預けるよう呼びかけている。
市は今年から、会場と周辺の公園での飲酒を禁止した。昨年、飲酒が絡む事件が発生したためだという。
残念ながら、公園では今年も酒を飲んで注意される新成人が一部いた。しかし、記者が訪れた2年前に比べ、酒瓶片手に気勢を上げる若者の姿は少ない。市職員は「声をかけると、すんなりと応じる。隠して持っていく新成人もいるかもしれないが、これまで通りにはしない」と語る。
そんな中、ひと際目を引いたのは、上半身が裸で、白鳥のかぶり物をした井手秀和さん(20)だ。「めちゃめちゃ寒いですよ。でも、注目されて、気持ちいいですね」と満面の笑顔を見せる。
のぼり旗を手に、出身区名などを連呼するおなじみの光景は健在だ。外の公園の一角では、色とりどりの羽織に旗、巨大な扇子でキメた若者が「コクラ(小倉)! コクラ!」「トバタ(戸畑)!トバタ!」と叫ぶ。
ただ、2年前に比べ、集団の数は少ない。殴り合いもあったが、周囲が止めに入ればやめ、それほど殺気立っていない。
新成人の原田彰さん(20)は「集団でけんかをする人たちは、成人式で中学時代からの因縁を最終的に決着するようだ。僕らの代は中学の時から、それほどやんちゃじゃなかった。その影響もあるのかもしれない」と語る。世代によっては「今年はひどいことになるらしい」との噂が、地元を駆け巡ることもあるという。
市内で深夜徘徊(はいかい)などの見回り活動を行う北九州ドロップ・イン・センターの男性責任者(41)は「酒の持ち込み禁止もあるかもしれないけれど、今年は静かですね」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
「成人式は外やけん」
公園で気勢を上げる新成人は、一部自治体での式典のように、会場になだれ込んだりしない。騒いではいるものの「荒れる成人式」とは一線を画す。
真っ白な羽織に、名前入りの旗を持ち、公園の一角で集団を盛り上げていた由上一真さん(20)は「俺たちの成人式は、外やけん。中に入ったりはしない」と断言する。
式典会場内で暴れない“良識”ある姿は過去の式でもみられた。集団は、式典開始のアナウンスがあっても移動しない。中では静粛な式が行われた。
犬を模したフェルト製のカツラをかぶり、集団の輪の中心にいた西田章悟さん(20)も「大人になったら、もうやんちゃできんけん、成人式は最後の祭り」と語る。
奇抜な衣装に身を包んだ新成人は「インスタ映え」するのか、会場周辺に訪れた人が、スマートフォンで写真を撮っていた。動画投稿サイト「ユーチューブ」の撮影とうたった一団や、高齢女性の姿もあった。ある種、観光名所になっている。
熱心に撮影していた福岡市早良区の無職、八坂節子さん(71)は「今の若者は私たちが考えられないファッションをする。でも、それが写真としてはすごくおもしろい。ぜひ一度は来てみたいと思っていたので、すごく楽しいですね」と笑顔を見せる。
同年代の姿を、周りはどう見ているのだろうか。
関西の大学に進学した吉岡英雄さん(20)は「騒いでいる人の中には中学の同級生もいる。昔からあんな感じだった。大人はあまりいい印象を持たないと思うけれど、会場の外でやっているのなら、良いかなと思う」と好意的だ。
ただ、騒いだ若者らは、旗の装飾など多くのゴミをそのままに、去っていった。
市の呼びかけで、ゴミ拾いのボランティアに参加した男性新成人(20)は「せめて、ゴミぐらいは片づけてもらいたいですね」とぼやく。
新成人に混じってゴミ拾いをしていた近所に住む小学校4年の男子児童(10)に話を聞いた。
「お母さんに言われて様子を見にきたけど、何かよく分からない。汚れているから片付けている」。成人なら宴の後始末をし、子供に模範を示してほしい。
2年前、口ヒゲをたくわえた記者は「ヒゲが茶色いぞ!」「茶色!」「茶色!」と拡声器でコールされたが、今年はいじられることはなかった。騒ぎは、沈静化へ向かうのだろうか。
続きを読みます http://news.livedoor.com/article/detail/14127136/
0 件のコメント:
コメントを投稿