18日発売の「週刊文春」で看護師女性の不倫疑惑を報じられた、音楽プロデューサー小室哲哉(59)が19日、都内で会見を開き引退を宣言した。
小室は、会見開始から約50分間にわたり、持参した文書を元に引退に至った経緯、くも膜下出血で11年10月から療養中の妻KEIKO(45)、不倫疑惑が報じられた看護師A子さんとの関係など、引退の理由を語り続けた。
小室は近年、加齢から来る衰えを感じており、17年8月あたりから引退を考えていたことを明かした。その中での不倫疑惑報道が、引退決断の大きな引き金になったと明かした。
◆感じた自らの限界
体調不良は、本日も変わらず(左耳の)耳鳴りが、どうしても治らなくて。音楽制作の締め切りは今まで、滞ることはなかったんですが、最近は3日間、1週間、締め切りが滞り始めまして。「小室哲哉だったら、こんな曲を作るだろう」、「こんなことをやってくれるだろう」という期待に応えられるのかどうかということも、17年秋からの制作は自問自答する日々でした。特に歌手の方に提供する楽曲が、いいものになるかみたいなことで1週間くらい悩み、やり直しみたいな日々も、たくさんありました。10、20年前、90年代では考えられなかったことなんですか。何でなんだろうと思ってはいるんですが…去年くらいからですかね。公務員の皆さんが一般的に定年というのが60、65歳という方もいらっしゃるかも知れない。18年には還暦を迎える…ある種、60歳というものが1つの大きな才能、能力の1つのけじめ。創作においてはどうなのかなと疑問が出てきました。期待に応える音楽制作のレベルなのかな…ということ、ダメだとかと、そこまでは、はっきり分からないが正直、やり直し、やり直しも増えてきました。やっとのことで出来あがって、次の仕事…という日々も多くなりました。
◆暴露の予感
不安、自信のなさも日増しに増えてきまして。KEIKOにも、ずっと、簡単な言葉ですが、悩みは言いました。音楽に興味がない人になっているので「そうなんだ」というくらい(の反応)なのかなと思っていますけれど。不安に駆られる日々は、更に続きました。その中、医療、精神面のの知識を持ったA子さんが往診…何となくサポートしてくれるような日々が続いてしまいまして、ついつい17から18年、特に頼る日々になってしまいました。
年末に風のうわさなのか…自分でも正直、分からないですけど、何かこういった事態が起きるだろうと胸騒ぎはしていました。こんなことをして、まかり通るわけはないなという気持ちも、ずっと持っていたんですが、自分では(KEIKOには)分かってもらいたいけれど分かってもらえない、聞いてはくれるんだけど理解してもらっているのかなぁ…という妻。ピアノのフレーズを弾いても、30秒も聴くのが持たないくらいの妻…というところの環境で、非常に依存が彼女(A子さん)の方に強くなってしまった。ピーク、胸騒ぎというか、もうここまでだなと思っていた矢先というか、タイミングなのか分からないですけど、週刊文春さんが、僕から言ったら戒めみたいなものなのかな…と今なら思っていますが。
今は、すごい席に立たせていただいていますが、10年には裁判所にいました。亡くなられましたが裁判官の主文を聞いて、執行猶予がついた有罪判決になって「執行猶予がついた。頑張るんだよ」と叱咤(しった)激励を、裁判官からされまして…その時の判決を見た時のような気分に…文春さんの取材を受けた時は、同じような気持ちを抱きました。僕は珍しい、まれな状態にさせていただいているのは、本当に恵まれた存在なんですが、罪もあれば必ず償い、罰を受けなければいけないという感覚は10年にひしひしと感じまして…同じような感覚を持ってしまった現在であります。
◆理想とは正反対の引退
去年から頭を痛めていましたが、音楽生活が自分にとって本当に優れたものなのか、優れていないものなのか、現代の目まぐるしい状況のエンターテインメント業界の中で役目がないのだろうか…引退みたいなものが頭をもたげてきまして。常に頭に浮かんだのが、皆様に「お疲れさま」と言っていただくような、スポットライトを浴びて「ありがとうございます」というような野球選手とかアスリートの方の引退セレモニーみたいなことを、夢を見た日々も1、2、3カ月は正直、ありました。しかし…自分の甘さから、そういう環境ではなく、すばらしい場所ではあるものの、勇退される方とはかけ離れた、こういう状況で、今回の報道により罪を償うとともに、自分の身体的な限界であったりとか、音楽、エンターテインメント業界で、僕の才能が本当に必要なのかという…。もはや、ここまでかな、音楽の新しさみたいなものは作れるのかなといろいろ、自問自答をずっと続けてきました。報道されたというか、していただいたという言い方は、おかしいかも知れませんが、音楽の道を退くことが私の罪であると思いました。
小室は涙で何度も声を詰まらせた。【村上幸将】
続きを読みます http://www.asahi.com/and_M/interest/entertainment/Cfettp01801194271.html
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