1月9・10日に行われた自身初の日本武道館公演以来、9ヶ月ぶりのライブ。武道館2days直後の1月12日にドラマ『アンナチュラル』主題歌としてオンエアされた「Lemon」は、上半期の賞を総なめ。驚異のロングセラーとなり、デジタルシングルは158万ダウンロード、CDは35.2万枚、YouTubeのMVは2億再生(10月28日時点で1億9300万回超)に迫ろうとしている。
アーティストは新曲や新しいアルバムを携えてライブを行うのが通例だが、これほどのヒット曲が初オンエアから9ヶ月以上も生披露されず、ライブ自体も久々だったことから、観客の渇望感は高揚感へと変化。バンドメンバーに続いてカラフルなパーカーのフードを目深にかぶった米津が登場すると、広い会場にはさざなみのように喝采が広がった。
オープニングはいきなり花道を闊歩しながら「LOSER」を披露。ステージの左右と背後に大型LEDビジョン、格子状のオブジェのようなセットが組まれるなか、ハチ名義で発表した「砂の惑星」、さらにはYouTubeでMV再生回数が1億回を突破する「アイネクライネ」「ピースサイン」など人気曲を次々に投下し、イントロが響き渡るたびに歓声が上がった。
中盤を過ぎた12曲目には、まだMVを発表していないニューシングル「TEENAGE RIOT」を初披露すると、この日初めてのMCタイムに突入。2万人の観客に「元気?」と呼びかけると、「いや〜すごい人がいるね。人がすごいよね。今日は本当に来てくれてありがとう」と感激した。
続けて「新曲『TEENAGE RIOT』を初めて演奏しました。初めて人に聴かせました。みんなどうだった?」と聞くと大歓声があがり、「よかったぁ! うれしい、うれしい! すげぇうれしい! 2回言うとウソくさいけど」と子どものように大喜びした。
初期衝動にあふれた新曲の元になった曲は、中学生のときに作ったと言う。「14〜15歳くらいのときのグズグズ、ヒリヒリした気持ちを27歳になってもう一度取り戻すじゃないけど、その時の記憶を呼び起こして作った曲です」と明かした。
広い会場を見渡すと「最初期の頃から知ってくれてる人もこの中にいっぱいいると思うんだけど、最近の俺の規模感の変化、音楽性の変化に戸惑いを覚えている人もいるだろうなと感じています。変わっちまったな、遠くに行ってしまったとか投げかけられるたびに悲しくなったりする。そんなこと言うなよと思ったりする」と胸中を吐露する一幕も。
それでも「個人的には一人の音楽家として、変化をしていくことが美しいことだと思う」と話し、「同じことをやっていてもしょうがない。昔やっていた音楽はそこにある。より遠くに行くのがある種の信念になっている」と続ける。「自分は変わっていく、遠くへ行くことが一番美しいと思っていて、それが自分のためだし、まわりまわって聴いてくれる人のためにもなりうると思って曲を作っています。来年も再来年も変わっていくと思う。変わっていくその先でできた美しい音楽を引っさげて、またこういうステキな空間をみんなと一緒に作っていくことができたらいいなと思います」と語りかけ、割れんばかりの拍手が沸き起こった。
本編のクライマックスは、炎が無数に揺らめく幻想的な空間で「打上花火」を、そして中毒性の高い新曲「Flamingo」をこぶしを回しながら歌い、ファン待望の「Lemon」へ。歌詞の「胸に残り離れない 苦いレモンの匂い」の歌詞さながら、会場にはレモンの匂いがかすかに漂い、香りの演出で楽曲の世界観を増幅させファンの涙腺を刺激していた。
来年1月19日からは故郷・徳島のアスティとくしま公演を皮切りに、自身初となるアリーナツアー『米津玄師 2019 TOUR/脊椎がオパールになる頃』をスタートさせる。
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