ノーベル医学・生理学賞に輝いた京都大特別教授の本庶佑さん(76)。免疫の力を引き出してがんを治療する画期的な新薬は偶然の発見から生まれた。20年に及ぶ研究を支えたのは未知の現象に対する好奇心と実用化への執念だった。
きっかけは大学院生の提案だった。本庶研究室に在籍していた石田靖雅さん(57)=現奈良先端科学技術大学院大准教授=が、新たな研究テーマを本庶さんに持ちかけた。
「細胞死に関わる遺伝子を探したい」
細胞死は「アポトーシス」とも呼ばれ、遺伝情報に基づいて細胞が自ら死んでいく不思議な現象で、生命科学の重要分野の一つだった。
石田さんは、免疫細胞の一種であるT細胞が自殺するときに働く遺伝子を見つけようと毎晩、実験を繰り返した。平成3年9月、ある遺伝子を突き止め、その塩基配列を調べて驚いた。
「何だこいつは」
全く新しい配列で正体は見当もつかず、急いで本庶さんに報告した。この遺伝子が作るタンパク質を、細胞死(プログラムド・セル・デス)との関連を期待して「PD-1」と名付けた。
翌年、本庶さんらと共同で論文を発表。だが細胞死とは無関係なことが約2年後に分かり、その機能は謎として残った。
続きを読みます https://www.sankei.com/life/news/181001/lif1810010045-n1.html
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