免疫を抑制するタンパク質「PD-1」を発見してがん免疫治療薬「オプジーボ」の開発につなげ、ノーベル医学・生理学賞に輝いた本庶佑(ほんじょ・たすく)京都大特別教授(76)。1日に受賞の連絡を受けた瞬間、最も近くで見ていた研究室の弟子たちが本庶さんの様子を明かした。
「うーん」。ノーベル賞受賞を知らせる電話を切った後、本庶佑さんは、うなるように第一声を発した。本庶研究室の茶本(ちゃもと)健司特定准教授(40)によると、ノーベル財団から連絡があったのは1日午後5時ごろ。教授室で茶本さんら4人の弟子たちといたときだった。「ノーベル賞の連絡は午後3時ごろに来る」という噂を聞いた茶本さんは「今年はないのかなと思った」と振り返る。
そこにかかってきた1本の電話。女性秘書が受話器を取った後、本庶さんに取り次いだ。
「大変光栄です」。英語で対応する本庶さんに「ひょっとしてノーベル賞ですか」と尋ねると、「うーん」と一言。少し笑みを浮かべながら落ち着いた様子で、受賞した旨を告げた。
「うーん」という言葉は実験で良いデータが出た際にかみしめるように漏らす、本庶さんの口癖。その後、実験室にいた約10人の学生にも知らせたところ、拍手がわき起こり、みんなで祝福した。
受賞の知らせを受けた本庶さんの様子は、いつもと違って改まった印象だがうれしそうだったという。10年間、同じ研究室で研究してきた特定准教授の小林牧さん(52)も、受賞の連絡を受けて少し高揚した本庶さんの様子が印象に残っている。「普段は冷静な先生も、握手したときに手のひらが汗ばんでいた。緊張感と高揚感が伝わってきた」と振り返る。
茶本さんは「これだけ多くの人のがんを治しているから、いずれは受賞すると信じていたが、まだ実感がわかない。今からわくのかな」と笑顔で話した。
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