俳優の大杉漣さんが、2月21日、急性心不全のためお亡くなりになられた。北野武監督の映画などで名脇役として活躍した大杉さんが、最後に出演したドラマが『バイプレイヤーズ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~』だ。名脇役が共同生活を送る様子を実名で演じて話題を集めている作品で、その撮影中の訃報。最期の日まで現場に立ち、バイプレイヤーであり続けた名優だった。
名脇役が共同生活を送る様子を実名で演じる――。こんな設定で2017年にヒットしたテレビ東京系の連続ドラマ『バイプレイヤーズ』が放送時間を深夜から午後10時台に移し帰ってきた。今度の舞台は無人島。フリートークコーナーも挟むなどドラマの枠にとらわれないつくりも注目を浴びている。
17年1月クールに放送された『バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~』は、第33回ATP賞のドラマ部門優秀賞や、東京ドラマアウォード2017の作品賞(連続ドラマ部門)で優秀賞を受賞するなど、高い評価を得た。
この2月に始まった新作は「テレビ東京が作る朝ドラに出演」との設定。遠藤憲一、大杉漣、田口トモロヲ、松重豊、光石研がロケ地の島に向かうも、現場でない無人島に漂流。サバイバル生活を送るハメになる。
プロデューサー/監督を務める制作会社・ドリマックスの浅野敦也氏は、前作放送終了間際から新作を作れないか模索したという。「前回、バイプレイヤーズの皆さんとは、気になることがあればとことん話し合って、ドラマを作っていきました。今回もスケジュール調整がついたところでお1人ずつミーティングをするところから始めました」(浅野氏、以下同)
話し合いでキャスト側からは「前作を超えられるか」との声が挙がった。それに対しテレビ東京は「では今回はGP帯(19~23時)で」と提案したという。「GP帯の連ドラはメリハリのある展開で飽きさせない工夫を凝らしています。あえて真逆にして、深夜の時のゆるゆるダラダラしたテイストをさらに増やそうと。本人役のドラマをGP帯で放送すること自体まれ。視聴者の皆さんが『このやりとりは脚本じゃなく本当なの?』と思わせるリアリティーがあるほうが面白いはずなので、脚本はアドリブが入っても影響のないシンプルなものにしています」
極力、ドラマチックな話にせず、演者の素が出るように。さらに前回好評だったフリートークコーナーも継続と、ドラマという枠に収まらない本作。
「そういう作品が成立するのもキャストの方々に圧倒的な力量があるから。プロフェッショナルが集まったからこその世界観を、ぜひ味わってほしいですね」
(「日経エンタテインメント」3月号の記事を再構成 文/田中あおい)
[日経MJ2018年2月16日付]
続きを読みます https://style.nikkei.com/article/DGXMZO26943830V10C18A2H40A00?channel=DF280120166614
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