大杉漣さんを追悼
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[映画.com ニュース] ビートたけしが審査委員長を務める「第27回東京スポーツ映画大賞」の授賞式が2月25日、都内のホテルで行われた。たけしは、「わがままを言ったわけじゃなくて、今年(2017年)は不作で『アウトレイジ』が残った」と講評し、自身(北野武)が監督した「アウトレイジ 最終章」が作品、監督、主演男優、助演男優、新人賞の5部門を制覇した。
助演男優賞は、今月21日に急性心不全で急逝した大杉漣さん(享年66)が大森南朋、ピエール瀧、松重豊、金田時男とともに受賞。たけしは24日に司会を務めるTBS「新・情報7days ニュースキャスター」の生放送で、「早いよね。自分に近い人の死はこたえるね。相棒がいなくなったような寂しさがある。自分の映画を支えてくれた人だから」と涙ながらに語っただけに、この日は多くを語らず「大杉さんは亡くなっちゃったけれど、皆が素晴らしいから1人を選ぶと他の人が抜けてしまう。だったら、皆を表彰しちゃえってこと」と受賞者を称えた。
大杉さんが、出演のテレビ東京のドラマ「バイプレーヤーズ もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら」を撮影中の20日に腹痛を訴えたグループLINEにいち早く気づき、病院に付き添って最期をみとった松重は「北野映画に出させてもらって、こんな華やかな舞台に立てることを千葉の海で話していたのに…」と沈痛な面持ち。それでも、ドラマが最終回まで放送されることが正式に決まり、「漣さんは湿っぽいことが嫌いなので、前を向いていこうと思う。漣さん、これからも僕たちを見守ってください」と気丈に語った。
大森も、「漣さんと一緒に頂いたことを誇りにして生きていきます」と宣言。主演男優賞の西田敏行も、「戦友を失い、とてもつらい。突然に逝(い)ってしまうのは漣ちゃんらしいけれど、人間の死は寿命だと思うようにしないと納得できない」と唇をゆがませた。
同じく主演男優賞の塩見三省は、脳出血からのリハビリを経て同作で映画復帰しての受賞だけに、「きょうのこの日を、これからの人生で何度も思い出すでしょう。これを機に、また俳優、映画というものに近づいていきたい」と感慨もひとしおの様子。そして、「大杉、俺はこんな体だけれど、もうちょっとこっちにいるわ」と天国の大杉さんに呼びかけた。
なお、主演女優賞は「散歩する侵略者」の長澤まさみ、助演女優賞は「三度目の殺人」は広瀬すずと斉藤由貴がそれぞれ受賞。また、「第18回ビートたけしのエンターテインメント賞」は日本芸能大賞が明石家さんま、綾小路きみまろ、島田洋七、日本芸能賞がブルゾンちえみ、ゆいやんレトリィバァ、特別賞が葉加瀬太郎、功労賞が小室哲哉、葛西紀明、話題賞が元SMAPの稲垣吾郎、香取慎吾、草なぎ剛、元横綱の日馬富士と貴ノ岩、豊田真由子元衆院議員にそれぞれ贈られた。
(映画.com速報)
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