上映前のセレモニーでは、4000人の観客が中央から上手側は白いサイリウム、下手側は赤いサイリウムを振って、木村と二宮を迎えた。赤白のレッドカーペットが敷かれたステージには、木村・二宮のほかに、吉高由里子(30)、大倉孝二(44)、八嶋智人(47)、音尾琢真(42)、芦名星(34)、原田眞人監督(69)が登壇。
最初のあいさつで木村は「きのうおとといと食料を渡してきましたが」と、西日本豪雨で大きな被害を受けた広島県呉市を訪れ、炊き出しを行ったことに触れ、「きょうは作品をこのような形で手渡しできることを本当にうれしく思っています」と思いを述べた。
続いて二宮は「先輩とこうやって一緒に並んでステージの上に立てるというのが本当に貴重で、皆さん写真撮りたいでしょうけど、携帯は(かばんに)しまっているでしょうから、そういう僕が一番撮りたいんですけど、楽屋に置いてありますから、一緒の作品を作れること、一緒のスクリーンに映れることに感謝しながら毎日撮影に挑んでいました」と、喜びを語った。
司会者が二人に共演した印象を尋ねると、木村は「これはもちろん皆さんの前でなくて、マイクがなくても、カメラが入っていなくても、どこでも胸を張って言えることですけど、これほど一緒に作業していて、信頼できる共演者は珍しいですし、本当に頼りがいのある後輩だな、と思います」と言いながら、二宮の肩を抱き寄せると、客席からは「キャ〜」と耳をつんざくような歓声。二宮は子どものようにピースをして、報道カメラにアピールしていた。
二宮は「いい人生ですよね。本当に」と感情を込め、「真面目な話になっちゃうんですけど、平成という時代で元年から最後の30年まで、立ち位置もスタイルも変えずにトップで走り続けてきた木村拓哉という人と一緒に作品を作りたいとずっと思っていて、平成の最後の最後でギリギリこの作品で滑り込めたんじゃないかな、と共演しながら思っていて、それだけで恵まれているのに、そんなお言葉までいただけて感謝です」と、頭を下げた。
彼らのちょっとした動きにも「ワ〜」「キャ〜」と客席は大騒ぎだったが、二宮は「楽しいのはここまでです。非常にズシンとくる作品になっていると思います。それも込み込みで楽しんでいただきたいと思います」。木村も「ニノもいいましたが、あぁ、楽しかったなという気持ちは本編が始まったと同時に消え去ると思います。本当に考えさせられる時間が多いと思いますが、最後の最後まで受け止めてもらいたいです」と、肝心の作品について呼びかけていた。
同映画は、雫井脩介氏が2013年に発表した同名小説(文春文庫)が原作。時効廃止以前の殺人事件や、捜査機関によって生み出される冤(えん)罪など、司法制度が抱える問題点に鋭く切り込みながら、登場人物たちの葛藤を通して「正義とは何か」を問う。
ある殺人事件の捜査を進める中で浮上してきた容疑者・松倉を何としてでも罰することを誓う木村演じるエリート検事・最上、その容疑者の取り調べを任された二宮演じる若き検事・沖野。二人の間にあった“信頼”は、さまざまな人物たちの思惑が交錯する物語の中で、“疑念”に変わっていく。「最上さんは、松倉を、犯人に仕立て上げようとしているのではないか?」。正しいのは、どちらの正義か? 対立する二人の検事。彼らの戦いに、待ち受けていた決着とは?
この日の登壇者は――吉高=沖野をバックアップする検察事務官・橘沙穂。大倉=殺人事件の容疑者の一人・弓岡。八嶋=沖野と共に検察との闘いに挑む弁護士・小田島。音尾=殺害された老夫婦の息子で暴力団員の千鳥。芦名=闇社会ブローカー・諏訪部(松重豊)の指示で動く、運び屋の女――をそれぞれ演じる。
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