ジャズトランペット奏者の日野皓正(74)が、ジャズコンサート中にドラムを演奏していた男子中学生の髪をつかんで往復ビンタをした問題で、日野が1日、都内で報道陣の取材に応じ「あくまで教育の一環」と主張した。
この日、コンサートの演奏で韓国から帰国。約30人の報道陣に囲まれると、ストライプのジャケット姿で腕を組み「ちょっとたたいただけだよ。相手も痛がってねえし、血も出てねえ。アントニオ猪木のビンタの方がよっぽど痛い」と話した。
コンサートは東京都世田谷区教育委員会主催の体験学習で8月20日に行われた。男子生徒はソロ演奏をやめず、スティックを取り上げても手でたたきはじめたため、顔面に打撃を加えたと一部で報じられた。日野は「演奏前にドラムをたたき始めたから『バカヤロー』って怒ったのに、まだやめないからちょっとたたいた」と説明した。
愛のムチを受けた生徒は演奏後、控室で日野に謝罪し、日野も受け入れたという。「それで済んだ話なんだ。お前ら記者が騒ぐと、お前らがその生徒をいじめることになるんだぞ。周囲から『あ、お前が例の生徒…』ってなるんだから」と報道陣をけん制した。
あくまで生徒の才能を買っての行動とし、「うまいんだよ。ちょっと周りとうまくいっていないみたいだけど」。男子生徒とは1年前から付き合いがあり、「俺はおやじになる。何かあったら電話してこいよ」と声を掛けていた仲だったという。
今後も痛みを伴う“日野流”は継続されるのか。「もう手を出すのはやめようかな。ちょっとやり過ぎたかな、とは思っている。ま、申し訳程度だけど」と“反省”していた。
◆日野 皓正(ひの・てるまさ)1942年10月25日、東京都生まれ。74歳。65年にバンド「白木秀雄クインテット」に参加し、名声を得る。67年、ソロアルバム発売。世界的に活躍し、89年に名門レーベル「ブルーノート」と日本人初の専属契約。2004年、紫綬褒章受章。愛称は「ヒノテル」。
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