ティーチインを行った青山真治監督(右)、
宮崎あおい、斉藤陽一郎
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[映画.com ニュース] 宮崎あおい出演作「EUREKA ユリイカ」が11月1日、第30回東京国際映画祭Japan Now部門の特集企画「銀幕のミューズたち」で上映され、宮崎とメガホンをとった青山真治監督がTOHOシネマズ六本木ヒルズでティーチインを行った。
映画は、役所広司を主演に迎え、過去の苦しみから抜け出せない人たちの再生をかけた旅を描くドラマ。青山監督が脚本を兼ねた。ある地方都市でバスジャック事件が起こり、生き残った運転手の沢井(役所)と、中学生の直樹、小学生の梢(宮崎)の兄妹は心に深い傷を負う。2年後、沢井は2人きりで暮らしていた兄妹とその従兄の秋彦と人生をやり直す旅に出るが、行く先々で殺人事件が起こる。
217分という長尺である今作の上映は、宮崎の「映画祭でしかできない」という希望で決定。これを機に、今作を見返したという宮崎は、「20代の最初の頃や、出来上がってすぐに見た10代のときは感じなかったことをたくさん感じて、初めて『EUREKA ユリイカ』を見て涙が止まらなくて。なんかすごいな、映画ってとってもいいなって今回改めて思った。14歳の自分がスクリーンのなかで永遠に生きていく。本当に貴重な素晴らしい経験だった」と感慨深げに明かした。
また観客から、今作の撮影時に女優を続けていくと思っていたかと尋ねられると、「自分がずっと役者としてやっていくなんて考えもしなかった」と告白。しかし、今作への出演が転機となったようで、「子どもの頃にキラキラした大人に囲まれていたという経験が今の自分を作っている。好きなものに夢中になっている大人って素敵だと今でも思うし、自分もそうなりたいと思う。必要としてもらえないと成り立たない職業なので自分でどうこうできることでもないですが、ひとつひとつを大事に、必要としてもらえたら、ずっと続けていけたらいいなという気持ちです」と女優としての今後の抱負を語っていた。
青山監督は、宮崎との10年ぶりの再会に「気持ち的に何にも変わらない感じて会えた」と歓喜。今作のオーディション時を振り返り、「本当に素敵でしたよ。オーディションをやったけど、何にもしていない。僕は『ここを見て』と言って、その見ている目がどれくらい透明かということしか(見ていない)。ダントツ透明、そういう人ですから」と宮崎の素質を絶賛。さらに、直樹役を演じた宮崎の実兄・宮崎将もオーディションしたものの、2人が兄妹と知らなかったと言い、「苗字一緒じゃない、兄妹でいけるね! って言ったら、助監督に『本当の兄妹なんだよ!』と言われました(笑)」と裏話を披露していた。
なお、この日は秋彦役を演じた斉藤陽一郎が客席で鑑賞しており、急きょ登壇して会場を盛り上げた。
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