■16年目の欽ちゃん&香取コンビ「出てくる出場者の方も大きくなりますよ(笑)」
番組は第1回から萩本が司会を務め、2002年の第65回から香取も参加。第66回から69回、第77回から『欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞』のタイトルで放送されている。今や熟練のコンビネーションを見せる欽ちゃんと香取。あらためて番組について聞くと萩本は「私、番組をすぐやめるクセがあるんです(笑)。なんで、こんなに長いことやってんだろ。違う萩本欽一な気がします」と笑った。
一方の香取は「今年で(司会になって)16年と聞いてビックリしました。あのときにこれをやったとか、今は番組何年目だとかをほとんど考えてないので。でも、僕が仮装に入ったときに生まれた子どもが16歳になるのかと思うと…。ビックリです。そりゃ出てくる出場者の方も大きくなりますよ(笑)」としみじみ。そんな香取に萩本は「僕はもっと歴史見てるよ。小さい子どもが大きくなって。それと子どもと一緒だったお母さんが1人で来て『子どもどうしました?』って聞いたら『結婚して出てくれません』とかね。出演者にとっても大きな物語ですよね」と歴史の重みを語った。
萩本は「慎吾ちゃんは力がある」と断言する。高すぎる期待に香取は「困りますね」と苦笑いしながら「この間も、そうだったんですけどスタッフの方のいないところで『仮装っていうのは、こうやって行くんだぞ』という話をしてくださる。スタッフとの向き合い方とか(笑)。真剣な感じです」とぶっちゃけ。
笑い話のようで萩本は大真面目だ。「歳も歳なんで、この番組を慎吾に任せたよというつもり」と未来を見据えると香取は「分かっていただけたと思いますが、結構、本気なんです。困ってますね」と頭をかくばかりだった。
■萩本が見た幼き香取の才能「誰も敵わない」
2人はフジテレビ系で放送されていた『よっ! 大将みっけ』で出会う。当時まだ10代だった香取には刺激の多い番組だったが、萩本も同様だったという。萩本は「慎吾のアドリブはとてつもなく飛んでる。あまりにもおかしいアドリブがある。誰も敵わない」ときっぱり。『よっ! 大将みっけ』で萩本は「自分の人生で経験したことでしゃべるからつまらない」とアドリブの重要性を説いたという。すると直後の収録で香取が才能を爆発させた。「自分で言って、訳が分からなくなるんだよ(笑)。終わったらディレクターが飛んできて『今日の慎吾はどうしたの? ホントにおかしいね!』って、みんなを驚かせた。何がおかしいって本人が『何言ってんだろ』って顔しながら一生懸命言ってるのがバカに笑えた。それから、ちっとも変わってないね」と懐かしんだ。
その精神は今でも香取の中に息づいている。仮装大賞でやりたいことについて香取は「生放送」と語った。以前は行っていたが舞台に大掛かりなセットを組む場合もあり、時間などの関係で司会の立場からすればヒヤヒヤもの。それを自ら希望する姿に萩本は「これかぁと思った」とうなった。そして「いやってほど言っても懲りずに来る。絶対に諦めない。緊張感があるときに出るんだよね。スーパースターになっちゃったから追い詰める人が、だんだんいなくなっちゃったんだよね…。誰か追い詰めてくれよ!」と懇願するように言っていた。
萩本の考えを聞いた香取は「『追い詰めらると強いんだよ、慎吾は』って言いながら16年、追い詰めたんだと思う」と苦笑い。今回は審査員が例年以上に厳しく、必死になって点数を上げるようにお願いしたことを明かし「久々に欽ちゃんと一緒にワクワクが楽しめた。厳しく審査をしてくれたのが楽しかったですね。共有できましたね」と充実感たっぷりだった。
今年の抱負を問うと香取は「笑顔で来年のお正月におモチを食べたい。今年は笑顔でおモチをいっぱい食べたので。早いですけど1年後にいいおモチを食べたい」と天真爛漫な表情で語った。そして「10個食べました。やっぱ、俺すごいなって思いました(笑)」。安定感のある香取の突拍子もない発言に、萩本は満面の笑みを浮かべていた。
第95回となった今回の応募総数3316組。その中から予選を勝ち抜いた精鋭35チームが出場した。審査員は梅沢富美男、ブルゾンちえみ、二階堂ふみ、又吉直樹、横山だいすけら10人で、容赦ない厳しい審査を展開。どんなに低くても情けで2~3点は取れるのが通常で、それが40年近く続けられてきた。しかし、今回は史上初の0点も飛び出し、萩本は「0点、出ちゃったね」と驚き、「これで何かが変わる」と新展開となった仮装大賞の今後に期待した。
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