現役最年少棋士が、また歴史を塗り替え、将棋界に名を刻んだ。東京都千代田区で17日に行われた朝日杯将棋オープン戦の準決勝と決勝で、藤井聡太五段(15)が永世7冠を持つ羽生善治竜王(47)と広瀬章人八段(31)を連破し、棋戦初優勝で六段昇段の快挙を成し遂げた。トップ棋士を前に実力を遺憾なく発揮した中学生棋士が将棋界に新時代をもたらそうとしている。
普段はあまり喜びを表に出さない藤井六段が、今日は会心の笑みを浮かべた。最年少六段になった心境を聞かれると、「五段から半月ほどしか……」と照れ笑い。記者会見では「優勝できたという実感が少しずつ湧いてきている。今日はどちらもトップ棋士の先生だったので思い切りぶつかっていくだけだと思っていたし、その通り積極的に指せたと思う」と振り返っていた。
「強すぎる」。準決勝、決勝を見続けた棋士らは一様に驚いた。ベスト4に残ったのは羽生竜王と広瀬八段、そして久保利明王将(42)。現役タイトル保持者2人を含むA級棋士ばかりだ。
午前10時半に始まった準決勝は、国民栄誉賞を受賞したばかりの羽生竜王との公式戦初対局。憧れの先輩との対戦だが、先手番で相居飛車の力戦形の難解な勝負どころから歩を駆使する巧みな小技で優勢に立った。羽生竜王も攻め合いに出たが、着実な攻めで羽生玉を寄せ切り、119手で決勝進出を決めた。
午後2時半からの決勝は、久保王将を破った広瀬八段が相手。やはり先手番になり、得意の角換わり戦から積極的に角を切る作戦が功を奏して主導権を握った。終盤、広瀬八段、解説していた佐藤天彦(あまひこ)名人(30)、日本将棋連盟の佐藤康光会長(48)も気づかなかった桂打ちの妙手が決め手となって勝利を得た。会心の一手だった。
1日に順位戦C級2組で一つ上のクラスに昇級して五段に昇段したばかりだが、わずか半月で昇段した。
藤井六段の優勝を見届けた羽生竜王は、「決勝戦も動じない、力強い指し回しだった。(盤上の駒の)形の認識度の高さを感じる。ますます伸びていくのではないか。間違いなく藤井さんはタイトル戦に出ると思うが、そこに私がいるかどうかが問題です」と冗談ぽく話していた。【山村英樹、丸山進】
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