マンガ大賞を受賞した板垣巴留、「変なマンガなので、受け入れてもらって驚き」 - Crune Blogs

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2018年3月22日木曜日

マンガ大賞を受賞した板垣巴留、「変なマンガなので、受け入れてもらって驚き」

マンガ大賞2018が本日3月22日に発表され、板垣巴留「BEASTARS」が大賞を受賞。その授賞式が同じく本日、ニッポン放送イマジンスタジオにて行われた。

授賞式のステージにはまず、「響 ~小説家になる方法~」でマンガ大賞2017を受賞した柳本光晴がゲストとして呼び込まれる。柳本は顔出しNGということもあって、「響」の作中で主人公・響がある授賞式で正体を隠すために着ていたときのようなコートを着用し、さらにフードを深く被ったうえでマスクを付けて登場。その怪しさに客席は笑いに包まれ、司会のニッポン放送・吉田尚記は「作者自らのコスプレということで。見た感じは重要参考人の会見みたいになっちゃいますが」とつっこんだ。

昨年の受賞後の反響を聞かれた柳本は「本当にこの1年間、多くの人に読んでいただきましたし、いろんな書店やコンビニに置いていただきましたし、田舎からも電話がかかってきたし、父親からも『去年、わしは「タラレバ」(「東京タラレバ娘」)が獲ると思っとったんやけどなあ』と言われ、『読んでたんだ』と思ってびっくりしたんですけど(笑)」と明かした。

続いて大賞が発表され、壇上には板垣と、秋田書店の担当編集者がそれぞれ頭部に「BEASTARS」のレゴム、レゴシの着ぐるみを着用して登壇。顔を隠した柳本から、ニワトリ姿の板垣に大賞のプライズが贈られると、そのめでたくもシュールな光景に客席からは笑いと拍手が巻き起こった。

今の気持ちを聞かれた板垣は「私のこの格好と同じように、すごく変なマンガなので……皆さんにこうやって受け入れてもらって驚きです」とコメント。いつからマンガ家を目指していたのかを問われると「本格的に目指したのは大学4年から。それまでは美大で映画の勉強をしていたんですけど、映画を作るのってものすごく大変なんだなって、学生ながらにわかって。近いものを紙とペンで作れるならっていうことでマンガ家を目指しました。絵を描くのは昔から好きだったんです」と語った。

ここで吉田が「ドワーフウサギのハルというキャラクターの魅力がとんでもないなと思ってまして。クラスでは群れずに生きているのに、自分に寄ってくる男性との対等性を意識していて、『一度寝た男からの情けは受けない』っていうセリフを見たときに『うわっ!』と思ったんです。あれはどこから出てくるものなんですか」と興奮気味に質問。板垣は「ハルは恋愛上級者ではなくて、動物界の弱者であることで自分なりの美意識があって、男性といろんな遊びをするんですけど、自分が弱い立場だから誰のことも見下していない、実はすごく優しいキャラクターなんじゃないかなって。私も好きなキャラですね」とキャラクターの内面について言及。さらに吉田が「アカシカのルイが自分のツノにタオルをかけてるのを見て、とてもマンガ的な、素敵な想像力だと思いました」と称賛すると、板垣は「マンガは読み返せるものなので、細かいディテールはできるだけ絵の中に詰め込もうと思ってます。私がシカだったらツノにタオルかけるかなと(思って描いた)」とキャラクター作りについて明かした。

マスコミからの質問コーナーで「今回の受賞で作品を初めて手に取った人に、魅力を一言で」とコメントを求められると、板垣は「みんながみんな、一生懸命に生きている作品なので、誰かしらに情が湧くんじゃないかと思います。けど絶対に言っておきたいのが、1巻はめちゃくちゃ絵が雑なので、2巻まで読んでください。お願いします(笑)」と笑わせる。

続いて「インタビューでディズニーが好きだとおっしゃってるのを読んだことがあるんですが、ディズニーからはどのように影響されているでしょうか」との質問が。これには「まず、動物が二足歩行で服を着て歩いているというのを、皆さんが難なく受け入れて読めるのは、絶対にディズニーさんのおかげだと思うので、そこはすごく助けられていると思います」と答え、さらにディズニーとの違いに関しては「ディズニーでは絶対に表現してはいけない場面がたくさんあるマンガではあるので……。関連性としては動物をキャラクターとして使ってることぐらいですけど、ディズニーを観てる人が『BEASTARS』を受け入れてくれるかと言ったらそういうものではないと思います」と言及した。

「ディズニーにはない、生々しい暴力とかセックス描写があり、さらに同じ動物同士だけではなく、違う動物とも(セックスを)するという描写にびっくりしたんですが、これはどういう発想から踏み込んだものなのか」と問われると、「人間の世界でも、おじさんが幼い子を好きになってしまったり、違う国同士の男女だとか、何かしら壁を超えたカップルっていうのは存在するので。私は障害を乗り越えた恋愛に関して結構興味があるんです。せっかくなら異種族同士の恋愛に踏み込みたいなと思って描きました」と答える。暴力描写については「それは……単に好きなんでしょうね(笑)」と笑い、吉田も「バイオレンスはエンターテインメントの重要な要素のひとつですからね」とフォローしていた。

さらに「『BEASTARS』を読んでいると“花の24年組”あたりの少女マンガの雰囲気を感じる。また日本では手塚治虫先生が動物を擬人化したマンガをたくさん描いてると思うんですが、その影響は?」と問われると、「本当にお恥ずかしい話なんですけど、私は手塚治虫先生の作品は1つも読んでいないんですよね。少女マンガについては、私は女ですので少女マンガを読んで育ちました。『BEASTARS』は少年マンガですが、こっぱずかしいモノローグとかを入れる感じは、自分の中に少女マンガの遺伝子があるのかなとは思います。影響を受けたマンガについては……私はちゃお(小学館)を読んでいたので、『ミルモでポン!』とか『こっちむいて!みい子』とか、そういう楽しい世界を見せてくれる少女マンガが好きでした」とコメント。これを聞いた吉田は「今、全員がある意味衝撃を受けてますよ。ノー手塚治虫、イエス『ミルモでポン!』」と笑わせた。

最後に「マンガ大賞受賞作は映像化されることが多く、昨年の『響』も実写映画化が決まりました。仮に『BEASTARS』が映像化されるなら、希望はありますか」と質問が飛ぶ。これには「たぶん実写化は無理だよな、とみんな思ってると思います(笑)。アニメ化について考えてみると、人間っぽい生々しいキャラクターが多いと自覚してますので、もしアニメ化するとするならば、あまり誇張しない演技で。例えばアニメ会社のアニメーターさんに声をあててもらっても全然いいなと思うぐらいです。声優さんたちはもちろん素晴らしいんですけど、もし自然体でボソボソっと喋ってもらえる人にやってもらえるならやってほしい」と考えを明かした。

週刊少年チャンピオン(秋田書店)にて連載中の「BEASTARS」は、人間のように暮らす肉食動物と草食動物が共生する世界を舞台とした“動物版ヒューマンドラマ”。演劇部に所属する気弱なハイイロオオカミ・レゴシを軸に、種族を超えた恋や相容れることのない対立、学園で起きた食殺事件などを描く群像劇だ。板垣による初の連載作品で、宝島社から刊行された「このマンガがすごい!2018」のオトコ編は第2位に選ばれ、第21回文化庁メディア芸術祭のマンガ部門では新人賞を受賞。単行本は7巻までが刊行されている。また本日発売の週刊少年チャンピオン17号では、「BEASTARS」が表紙と巻頭カラーに登場。キャラクター人気投票の結果発表も行なわれた。

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