最年少で六段に昇った将棋のプロ棋士、藤井聡太(そうた)六段(15)が28日、大阪市福島区の関西将棋会館での第68期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)の一次予選で、井上慶太九段(54)に137手で敗れた。連勝は16で止まった。藤井六段にとって2017年度の最終戦を白星で飾ることはできなかった。
藤井六段の17年度の記録は73対局、61勝12敗、勝率8割3分6厘、29連勝となった。将棋界の記録4部門(対局数、勝ち数、勝率、連勝)の今年度の1位独占は、すでに決まっていた。
年度別の歴代記録(日本将棋連盟調べ)と比べると、73という対局数は歴代10位以下だが、61勝という勝ち数は歴代4位(1位は羽生善治竜王が2000年度に記録した68勝、2位は羽生竜王が1988年度に記録した64勝、3位は森内俊之九段が1991年度に記録した63勝)、8割3分6厘という勝率は歴代同率4位(1位は中原誠十六世名人が1967年度に記録した8割5分5厘、2位は中村太地王座が2011年度に記録した8割5分1厘、3位は羽生竜王が1995年度に記録した8割3分6厘、同率4位は木村一基九段が2001年度に記録した8割3分6厘)。自らが2016年12月のデビュー戦から記録した29連勝は歴代1位。
午前10時に始まった対局は午後6時に終局した。終局後、藤井六段は報道陣の取材に応じ、「初めて指した形で、ちょっと感覚がつかめていなかった。早い段階で形勢を損ねてしまった」と反省。連勝が止まったことについては、「仕方が無いことかな、と思います。まずは、(本局の)内容の方をしっかり反省したい」と述べた。
中学生として最後の対局だったことについて問われると、「自分が思った以上の活躍が出来たかなと思っていますが、本局のように力が足りないところもあったので、これからも、しっかり、やっていかなければ、というふうに思います」と応じた。「自分への通信簿は何点?」という質問に対しては、「今の段階でこれまでの結果に対しての評価はまだ早い。まだまだ実力をつける時期だと思っているので、結果に対しての評価は控えたい」と答えた。
これに対し、勝った井上九段は「一方的な将棋にならないように粘り強く指そうと思っていた。(藤井六段の将棋は)手厚く、腰が重い」と話した。井上九段は兵庫県加古川市在住。谷川浩司九段(55)の弟弟子にあたる。名人挑戦権を争うA級順位戦に3期在籍した関西のベテラン。現在は日本将棋連盟の常務理事も務めている。
将棋の王将戦は、8大タイトル戦の一つ。全棋士が参加。一次予選、二次予選をトーナメントで行い、勝ち上がり者とシード棋士4人でリーグ戦を行う。王将とリーグ優勝者が例年、1~3月に七番勝負を行う。現在のタイトルホルダーは久保利明王将(42)。(佐藤圭司)
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