* * *
今年2枚目のアルバム発売となるが、それぞれに込めたメッセージがある。
「『AND』は音楽を追究した部分はありますね。普段はいろんな方に幅広く聴いて欲しいから歩み寄ったキャッチーなポップスも入れますが、ファンクラブイベントのためというライブ用のアルバム作ろうって、コアにした部分もありました。『DNA』は『AND』と対になるように文字をひっくり返してね。あと2年でデビュー20周年なんですよ。自分の中でカウントダウンが始まっていて『いったい自分を構築しているルーツは何なんだ』と考えました。歌謡曲から始まって王道のバラードも外せないし、セクシーなダンスやアメリカンポップスだったりR&Bも。内面はロックだからそれも入れたい。いろいろな倖田來未のDNAを感じてもらえる音楽を収めました。特に『CHANCES ALL』は今作で一番言いたいメッセージなんで聴いてもらいたいです」
今回も収録曲の作詞を手掛けている。11年に人気バンド・BACK―ONのKENJI03(33)と結婚し翌年に第1子を出産。多忙な中での作業にもプレッシャーを感じていないようだ。
「私ね、結婚もして子供も6歳なんです。家にいると家族の時間であったり家事とか、やらなきゃいけないことがいっぱいあって、逆に『新幹線で2時間半です、1時間半です』とかいわれた方が歌詞がバーッと出てくる。缶詰めにされてできるタイプだと最近気付きました。移動中に詞を書いたり200曲近くデモテープを聴いたりの繰り返しで、ツアー中はライブで歌う曲より主に次の作品になる詞や曲を聴いてましたね」
―何か作詞のコツは。
「ちょこちょこと気になったワードは書き留めてはいますが、私の場合はまずテーマを決めてその曲を聴いて、曲が訴え掛けていることを書き綴っていく感じです。この曲を書きたいと感じひんかったら、もう作家さんに任せることも多いですね。旦那には『そんなツルツル書いてできちゃうんだ』と言われます(笑い)。主人は頭で考え過ぎるタイプですが、私は感性を大事に感じるままです。自分はよく恋するタイプなんで20代の時は恋とか愛とかね。それが家族を持って人間愛にどんどん強く変わってきたのはあります」
今年でデビュー18年。自分を見失っていた時期があったという。
「私、3年ぐらい前、川崎のお寺にお参りに行った時に和尚さんに『ちょっとおいで』と呼び止められて『なんでそんなに丸くなったんだ。昔はとげとげしていて良かったんだけどね』と言わたんです。先方は私を倖田來未と分かっていなくて、まったくの通りすがりだったんですよ。プラスに取るかマイナスに取るか、放っておくかは自分次第でしょうが、言われたことが自分の中では図星でね。私自身はちゃんと受け止めて『倖田來未、これやったらあかんな』って思いました」
―実際丸くなっていた。
「一時期やっぱりあったんですよ、丸くなった方がいいのかとか。長くやっているといろんな意味で知恵がつくじゃないですか。周りのスタッフも頑張ってる中で、無理をさせたらあかんとか。ちっちゃい妥協がどんどん積もってました。嫌われたくないとかも。どんどん年をとって弱くなってきてね…。倖田來未はライオンなんですが(本名の)神田来美子さんはウサギちゃん。すごく寂しがりなんですよ。でも今は倖田來未のやりたいこと支えたいスタッフが入ってきたくれたので尖ってますよ(笑い)」
0 件のコメント:
コメントを投稿