東京都の小池百合子知事は十七日、豊洲市場(江東区)の開場日が十月十一日に決まってから初めて、築地市場(中央区)を訪問し、業界団体代表者と意見交換した。業界側によると、移転に向けた協力を確認したほか、小池氏は築地の跡地に関し「都として築地に(再び)市場をつくる考えはない」と発言したという。
小池氏が築地を訪れるのは、豊洲移転後に築地跡地を再開発するとの基本方針を業界側に説明した昨年六月以来。基本方針の公表時には、築地跡地に競りなどの市場機能を持たせて再開発する考えを示したため、豊洲市場内で観光施設を運営予定の事業者の反発を招くなど混乱していた。
築地跡地は二〇二〇年東京五輪・パラリンピックに向けた輸送拠点に整備され、大会の主要道路となる環状2号線を通す予定。小池氏はこの日、環状2号線の工事の進捗(しんちょく)状況も視察した。
意見交換は非公開で行われ、業界側からは環状2号線の仮設道路を早期に整備し、豊洲市場開場に間に合わせるよう要望があったという。小池氏は終了後、報道陣の取材に「移転に向けて具体的な要望を頂き(豊洲の)開場が現実として近づいていると感じた」と述べた。
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