将棋の女流棋士、里見香奈5冠(25)は18日、大阪市の関西将棋会館で行われたプロ棋士養成機関「奨励会」の三段リーグで対戦成績が7勝9敗となり、年齢制限で残り2局を待たずに退会が決まった。

 里見は奨励会を卒業してプロ棋士になる夢は絶たれたが、今後はプロ編入試験を受ける道が残されている。これまで、女性のプロ棋士は誕生していない。

 将棋のプロは棋士と女流棋士で制度が異なり、棋士になるには奨励会を卒業するか、プロ編入試験に合格するのが条件。里見は今後、女流棋士枠のある公式戦に出場し、規定の成績を収めれば同試験を受けることができる。同試験は2006年に制度化。14年、アマチュアだった今泉健司四段(44)が合格した。

 奨励会は26歳の誕生日までにプロ棋士の四段にならなければ原則として退会となるが、全18局を戦う三段リーグで10勝8敗以上の成績を収めて勝ち越せば次も参加できる。3月に26歳となる里見は同日の対局で2連敗し、勝ち越しの可能性がなくなった。

 里見は04年、中学1年で女流棋士となり、第一人者として活躍。11年、奨励会の編入試験に合格、13年12月に女性初の三段となった。

 奨励会を卒業するには年2回開催の最終関門三段リーグで、原則2位以内に入るのが条件。今回は36人が参加した。(共同)